ごめんね

今日まで仕事が休みの僕は、部屋から出てユイとよく歩いた街まで行った。


ユイには聞けないことがたくさんあった。


僕たちは2人でいすぎたのか、僕の思い出はユイしかないような錯覚さえ起こした。


ユイと行った図書館やゲームセンター

そのドラマが懐かしくて、逃げるようにして引っ越した僕を今更許してくれないだろう。


手紙の始めもまだ書けないよ。


ごめんねだけは、言わないようにしよう。


僕はそうして徐々に言葉を失っていった。


ユイがいつも話してくれていた。

僕は、もともとない言葉をさらに減らしていくようだった。

そうしていくうちに、ユイの方から手紙が届いた。


「様子を見に来てくれて、ありがとう。

私は、ノブともう一度、話したいよ。

声が出なくてごめんね。」

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