第3話
「縄文人さん、私そろそろ帰ります。猫が家で待っているし、歯医者の予約も取り直さないといけないかもしれないので。」
「そうですか。お会い出来て嬉しかったです。」
「私もです。地球の未来はどうなっていると思いますか?」
「私たちは地球という名の宇宙船に乗っている仲間なんです。みんなで力を合わせれば素晴らしい未来が待っていると思いますよ。」
「また、お会い出来ますか?」
「出来ます。」
「魂は永遠ってことですか?」
「私はそう信じていますよ。」
不思議なのは縄文人さんも、北斎さんも何を言っても受け容れてくれることだった。
私も未来の人が何を言っても受け容れる自信はあるが。
ゆっくり静かに、あの木の下まで歩いて行った。
帰らなくてはいけない。振り返らず、気持ちが変わらないように。
猫が待っているから。
猫が待っていなかったら、どうしていただろう。
何もなかったように歯医者の待合室の椅子に座っていた。
「夏月さん、1番の入口からどうぞ。」
予約を取り直さなくて済んだらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます