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選択肢:エンジニア室


 船長あなたは、エンジニアルームに向かうことにした。静寂の船内。薄暗い中、懐中電灯を頼りにあなたは廊下を進んでいく。


 エンジニアルームの前の扉に着いた。停電のためか、自動ドアは開かない。船長あなたは一度懐中電灯を床に置いてから、扉に両手の指をかけ、思い切りスライドした。


 大きな音を立てて、扉が開く。


「誰だ!」


 エンジニアルームにはエンジニアが一人。ペンライトを持ちながら、あわただしそうに、大きなカバンを持っていた。


「チッ、船長か。この停電は俺のせいじゃない、俺のせいじゃないからな」


 念押しするように、繰り返すエンジニア。


「そうだ、俺のせいじゃない。お、お前。お前がやったんだろう!」


 思い切り船長あなたの首元を掴むエンジニア。船長あなたはそのまま壁に突き飛ばされる。身体が重く、船長あなたの意識が混濁していく。


 エンジニアが何かをわめき、船長あなたを引きづっていく。


 気が付くと、船長あなたは船長室の床に転がっていた。腕や足などはコード類で拘束されている。


 船長あなたは動くこともできずに、冷たい床で横になり続けた。

 助けは未だ、こない。



END 5 宇宙、監禁

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