13

選択肢:厨房


 船長あなたは、厨房に向かうことにした。静寂の船内。薄暗い中、懐中電灯を頼りにあなたは廊下を進んでいく。


 厨房前の扉に着いた。停電のためか、自動ドアは開かない。船長あなたは一度懐中電灯を床に置いてから、扉に両手の指をかけ、思い切りスライドした。


 大きな音を立てて、扉が開く。


「クセモノ!」


 シェフの声が響く。同時に大きな衝撃。


 船長あなたの視線が突然、上を向いて倒れた。船長あなたの身体は上半身と下半身の二等分になっている。廊下の白い壁には、真一文字の赤い血潮。

 船長あなたは思い切り頭を打ち付ける。そのまま、船長あなたの意識は闇に飲まれて、戻ってくることはなかった。


 電気の付かない廊下の中、船長あなたの倒れた衝撃で、懐中電灯が転がった。懐中電灯が最後に照らしたのは、血濡れの出刃包丁を持つシェフの姿だった。



END 4 暗闇のなか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る