第4話 もしかして一目惚れってやつ?
私が入学してから一か月ほどが経った。その間、平日は毎日大学へ行き、後々する予定だった授業を前倒しで受けている。それは朝倉教授との距離を縮め、目標点にいる人の言葉をたくさん聞きたいから。
「朝倉教授おはようございます!」
「おっ、福岡さんおはよう。毎日来てるんだね。別に何日かサボっても良いんだよ。まぁ、大学生活送ってない僕が言うのもなんだけど。」
「朝倉教授こそ毎日来てるじゃないですか。偉いですね〜。それに高校時代は毎日行くのが当たり前だから、それを継続してるだけですし。」
ちょっと馬鹿にしながら本音を隠す。
「ん?教授対してその態度はどう言うことかな〜?」
教授も私のノリに合わせてくれる。入学後一か月で、私と教授の距離は徐々に縮まっているように感じる。
「じゃっ、僕は授業があるから。」
そう言って教授は小走りで講堂へ向かう。
朝の授業が終わり、自然に私と教授はいつもの休憩スペースへと向かっていた。
「やっぱり教授いたんですね。」
「そういう福岡さんこそ来たんだね。」
私たちはこの休憩スペースで話すのが、毎日のルーティーンの一つとなっていた。
「それで?その友達はどうしたの?」
唐揚げを頬張った口を左手で隠しながら、教授は前のめりになって聞く。
「その子は学園で一番人気だった人と、ゴールデンウィークを過ごせたんだよ、すごいよね。私にもその勇気があればもっといい人に出会えたのかな〜?」
「ワンチャンあったのかもね。でもその人ってほとんど関わってないし、そもそも入学後すぐでしょ。もしかして一目惚れってやつ?」
「そうだったのかもしれないです。でも今は別になんとも思ってませんよ。」
と私と私の友達の過去の恋愛について深く話していると、
「なんかその話聞いてると、僕も恋愛したくなってきたな〜。彼女とまでは言わないけど、好きな人の近くに居たいな。」
「私も同じかな。誰かかっこいい人でも拾ってくれないかな〜、な〜んて。」
「俺が拾ってやろうか。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます