第2話 俺、経験談とかないんですよね
入学して数日が経ち、初回の授業を迎えることとなった。緊張しながら講堂に入る。周囲は打ち解けている雰囲気はなく、私自身少し安心した。待ち時間、スマホをいじっていると、
「はーい、では講義を始めていきまーす。」
と垢抜け前の少年が元気に入ってきた。
そして私は思ってしまった。
(あっ、かっこいい。)
と。高身長でスタイルが良く顔も悪くない。同じ学生なら恋愛対象に入れたいくらい。だが相手は教授であるため、その感情を胸の奥に押し込む。
「情報システム学科を担当させて頂きます。朝倉篤志です、皆さんよろしくお願いします。ではまず軽く自己紹介をしたいと思います。僕は高校在学中に完全自動運転の車のシステムについて独自に研究してて、それがたまたま送ったコンテストで金賞を取れて、それが専門の人に認められて教授になりました。因みに十七歳で教授になったので高校は中退しました。本当は何か自分の経験を話そうかなって思ったんですけど、僕、経験とか無いんですよね。」
と少し笑いどこのある自己紹介で場が和む。
「あっそういえば、僕との会話ではタメ口でお願い。年上が敬語はなんか変だから。あと講義に関してだけど、他の教授の講義を知らないので、少し変わった講義になると思うけどお気になさらずー。」
私は自分がいるのが大学であることを忘れるほど気が楽になる。
その後、授業についての話があり、准教授からはテストの出題方法、評定などについての説明がされた。そして、
「では少し早いですが講義を終わります。この後、質問とか雑談したい人は僕のとこに来てください。たぶん共通の趣味とかあると思うのでー。ではありがとうございました。」
そう言って授業を終える。そして多くの生徒が帰り始めるが、私を含めた数名の生徒は教授のところへ行く。
「朝倉教授、この後雑談いいですか?私は福岡小春って言います。」
「福岡さんね、いいよ。」
その後、私に続いて他の生徒も教授に話しかけた。
そして私たちは休憩スペースへ行く。
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