第15話巫女の予言

これは私が一人暮らしし出した頃。


書いていいのかちょっと微妙なんですが、書きたいので書きます!


それは夢の中。青白い世界に在ったとても大きな日本屋敷の夢。


先も見えないようなずーっと続く直線の道と、それと同じくらい長い塀。


江戸時代かのような補正されていない道でした。


そこに2人のおばさんが立っていたんです。


お1「あら、やっと来たの!」


お2「ほらほら早く入りましょう。」


細身で気前のいいような2人に手を引かれて入る日本屋敷。


悪い人ではなさそう。と漠然とした感情でついていきました。チョロいですよね。


そして大きな門を開けて広がるのはこれまた立派な日本庭。


大きな池に鯉がいて、おば様2人はその鯉に夢中。


その池は願いを込めた笹舟を浮かべると叶うと噂されているモノのようで2人の目的はその池でした。


「おぉ…浮かぶんだ。」


わぁわぁと喜ぶおば様2人の後ろですごーい。と感動して見ている私。


そんな私を着物を着た小さい女の子が呼んだんです。


子「お待ちしてました。皆さん心待ちにしてますよ。」


「?」


それだけ言ってスゥっと歩き出す女の子。


私はなぜか体が勝手に動いて屋敷の中へと。


とても広くて長い廊下を女の子の後ろ姿を見て歩く。


どの部屋も明かりがついていてとても明るかったです。


そして女の子がピタリと止まる。


無言で開けられた襖の向こうにはお巫女さんの格好をした若い女の人が2人。


1人は赤ん坊を抱いていました。


女「あ、やっと来た。」


女2「久しぶりだね、どうだった?」


「赤ちゃん産まれたんだ。よかったね、2人ともすごい変わったね」


わぁわぁと喜ぶ女の人2人を見てなんだかホッコリととても嬉しくなる私。


そこは私がまだ実家にいた頃、2度ほど見た夢の中だと思い出したんです。


でも以前見た夢で話した内容は覚えておらず。


それでも久しぶりに会ったという感覚でとても嬉しかったのを覚えています。


女2「お姉ちゃんこの前産んだばかりなんだよ。」


女1「そうそう。あ、おばあちゃんがそろそろ来るから待っててね」


「そうなんだ。すごいね、ビックリした。おばあちゃん?」


小さい赤ん坊をこれでもかと可愛がる姉とそれを見ている妹。2人は姉妹でした。


そしておばあちゃん。たしかに以前はいたのに今はいない。


もうそろそろで来るからと言われ少し待つか。と思ったんですがすぐに登場しました。


お「お待たせしたね。元気だったかい?」


「あ…。うん。元気だった。」


お「そうかい。…?」


声をかけられて見てみれば、やっぱり巫女姿のおばあちゃん。


懐かしいなぁって返事をすれば私を見て首を傾げているんです。


お「お前さん、本当に大丈夫なのかい?」


「え?」


お「なんだかね…、お前の背中から光がどんどんの狭くなっていくんだよ。どこか悪いんじゃないかい?」


「??」


お「しっかりおしよ。」


おばあちゃんが言うイメージが私にも伝わってきました。


まるで徐々に消えていくスポットライトのようにたしかにどんどんと灯りがなくなっていく。


そしてそう言った後はあの姉妹は赤ん坊を愛でながら先に光の中へ。おばあちゃんも後を追うように消えていったんです。


それから数日は私の体調に異変はなかったんです。


ただその夢を見て少しした頃。


急激に背中が痛くなり脂汗をかきながら病院へ。


結果、私の脾臓が摘出ギリギリまで腫れ上がっておりました。


尿検査の結果も散々。蛋白尿との事で改善がみられなければ脾臓は摘出し蛋白尿も経過観察(定期的に病院通い)が必要になる。との事。


原因はストレスで当時の職場環境の悪さ。


私は即決で仕事を辞め、事なきを得ました。


まさか夢で言われていた事が本当になるとは。


あの日から巫女さんの夢は見られていません。


私としてはもう一度会いたいものですが。この夢は人に話すとみれなくなるんだと感じました。


以上15話目です。




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