第12話不思議なポンペイ
12話目
これは新婚旅行に行った時の話。
私はずっとイタリアが好きで小学生の頃からいつか絶対ポンペイに行きたい。と思ってました。
留学もしてたのですがポンペイの夢叶わずでそれを旦那に話したところ、じゃぁイタリア行くか!って事で行ってきたんです。
「来たぞー!!ポンペイ!」
「へぇー、すごいねポンペイ。あ、入場料払わないと 」
そう言って入場料払っていざポンペイの中へ!
だがしかし。中に入ってから気づいてしまった。
「おぉー!広いね、どこから行く?」
「そうだなぁ。パンフレットは?地図あるんじゃない?」
「え?うちは貰ってないよ。旦那君貰ったんじゃないの?」
「え?俺も貰ってないよ?…あれ?あ、もしかして入口にあった大量の冊子…」
「…はっ。オワタ\(^ω^)/」
そう。なんと入口にポンペイのパンフがあった事に気づかず手ぶらで入ってしまったのです。
しかし気づいたところでもう取りに行けない。
まぁこれも旅の醍醐味だ!と言う事で案内ナシ、パンフなしでポンペイ巡りがスタートしたのでした。
「嫁ちゃんなんか皆あっち行くね、行ってみよう!」
「あらほらさっさ!」
「…嫁ちゃん、世代が違う。」
そんなこんなで賑やかに進んで行った先はポンペイの街跡。当時の様子が伺えるほど色々な建物、水路だった場所が遺る見応えある場所でした。
「すごぉー。すごいんだけどね、吾輩の目的の物はどこにあるだか。」
「一人称が吾輩になった。目的の物?」
「そうそう。亡くなった当時の様子を再現させた像。」
「どゆこと!?」
「この街は火山灰に埋もれてるんよ。で、その火山灰の中で亡くなった人がいて、空洞ができたんね。長い年月かけて人の形に。その空洞に石膏流し込んでできたのがさっき言ってたヤツ。」
「そんなのあるんだ…詳しいな嫁ちゃん。」
「小学生の時から来たかったとこだからね。」
と。ドヤァとしつつないかなぁー?と見回る私。
でもふと足を止めた時、なんか知ってるな??と思ったんです。
「どこにもないね、その像。」
「…いや、こっちじゃないな。こっちだ。」
「え?」
「なんかね。こっちじゃない。こっちの道を通るとね、も少し広い?とこに出るはず…。あら、一方通行だ。」
「嫁ちゃん見たことあるの?」
「ない。ポンペイ初対面」
「韻を踏まれた。分かるの?」
「なんとなく。こっちがダメなのか…じゃぁこっちだ。」
そう言ってグルリと回り込んで。
出てきたのはたぶん当時市場があったであろう場所で人の家なんかがあるとこ。
「ほんとだ、さっきより広い」
「いやぁすごいねぇ。こっちは療養場だったんだって。へぇー…」
「お!嫁ちゃん、こっちの家入れるんだってよ!見て行こう!」
「ナイス旦那君!」
旦那君の見つけた見学できる家の中。
ちょっと暗くてもの寂しい感じはしたけど、それでも見学できた事に感激。
1人でパァァっと喜んでいた時、旦那君が言いました。
「わ!裏に行ける!」
「え?」
「行けるけど行っていいのかな?見なかった事にして閉めちゃお」
「ちょっと待って!それ、進む。」
「え?」
なんだかザワザワしたような気持ちで裏に降り立った私。
ザァッと揺れる黄色い景色になんだか頭がスッキリしたような感覚でした。
「こっちをね、曲がって真っ直ぐ進むの。」
「え、行っていいのかな?」
「大丈夫。道があるから」
「ほんとに?」
「うん。で、ここを進んで…あ、人。」
「ほんとだ!進んでよかったんだ!」
「もしかしたら像があるかもしれん!!あ、で。こっち。この塀ね中に入れる。あ!!」
「あった!!像!!」
1組すれ違った観光客に安堵する夫。
私は辺りをキョロキョロと見てこっちだ。と根拠もない自信で進んで行ったんです。
そうしたら出てきました、私が見たかった亡くなった人の形をした像。
展示されてたんです。
「おぉー…見つけたわ。」
「嫁ちゃんすごいね…勘?」
「んー。なんか…知ってるような気ぃした。呼ばれたか!?」
「可能性を否定できない恐ろしさ。でも見れてよかったじゃん!へぇ〜、すごいね!」
そうわちゃわちゃして元の道に戻った私達。
水路だったであろう場所でもすごいねと感激していた時、旦那君が水路と周りの家を見て首を傾げているんです。
「なした?」
「いや、なんかね俺子供の頃にこういう場所で遊んでる夢を頻繁に見てたんだよね。」
「マジで?」
「うん。もしかしたらその時からの仲だったりして。」
「そうだったらすごいね!」
なんて。
不思議体験の多いポンペイでした。またお金貯まったら訪れたいな。と思います。
以上12個目でした。
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