第10話暗い居酒屋
10話目
これは私が一人暮らしだった時。東京の居酒屋でバイトしてました。
その居酒屋は男しかいなくて。しかも陰キャを極めたような私には仲良くなりにくい怖面陽キャお兄さんばかり。毎日…:(・-・`):←こんなんでした。マジで入るとこ間違えた。
お隣の居酒屋は女の子ばかりなのに…と。でもなぜか納得する私。
そこ、とんでもなく真っ暗なんです。電気を消して暗いんではなく、見えちゃいけない人達の溜まり場?みたいな感じで。
ある所では首を吊ってる男。誰もいないのに勝手に反応して”いらっしゃいませ”と喋り出す入口の人感センサー。
たぶんですけど、あそこで働く人って色んな意味で強い人達なんですよね。なぜ私はそこを選んだんだチクショウ。
そんな中、ラストの締め作業中。
その日は一段とおかしくてインカムの調子も悪かった日。
誰も話してないのに勝手にノイズが走ってて周りの人達はやかましい。と言ってインカムを外してた日でした。
「あれ、まな板落ちてる。」
客席の締め作業が終わってキッチンへ向かう途中。ドリンク作る場所に置いてあったまな板が、なぜか遠く離れた廊下に落ちてる。
どうやったんだコレ。誰か発狂して投げたんか。とか思いつつ私はその場を離れました。
「後で戻しとくか。洗わなくちゃだし。」
そして用事を終わらせてその場に戻ったら全く同じ場所にそのまま落ちてるまな板。
よっこらせと拾い上げて洗おうとすれば、一緒にラストで残ってた社員さんから
「お前それまた落としたの?さっき俺拾ってやったんだけど」
と嫌な顔で文句を言われ。私硬直。
「え?…落ちてましたよ…。」
「はぁ?」
「いや、ここに。さっきと同じ場所に。」
「え?」
「なんで私落としてないです。拾って洗っとこうって。」
「…。」
「…。」
シーン…。
そりゃなりますよね。だって絶対ありえない位置に2回も落ちたんですから。
「ま、まぁ。洗って置いとけよ」
「あ、はい。」
濡れ衣晴れたようでよかったですが何とも言えない雰囲気。
その後その店は私が辞めるまで(辞めた後は知らん。)ずっと怪奇現象が続きました。なぜか売れない店でしたし。
隣の居酒屋に移った時は驚く程明るい店内でした。もちろん、電気の関係ではなく。
どうして隣同士であそこまで差が出たのか…あんなに溜まり場になると人の第六感はやっぱり働くものなんですかね。
以上懐かしい10個目でした。
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