第9話おじいちゃんとサヨナラした時。
9個目。
これは私のおじいちゃんが亡くなった時のお話。
前回、祖父母とそんな仲良くないみたいな話をした気が…する…んですが。さい。
そんなおじいちゃんは私が高二の時に亡くなったんです。
「…」
ここは病室。
危篤状態と知らされておじいちゃんの病室に家族全員で会いに行きました。
そこには記憶にあった嫌味ったらしくて元気なおじいちゃんではなく、意識がもうない管を繋がれたおじいちゃん。
私はこれまでの事もあり、遠目からその姿を見てるだけでした。
「(天上が…)」
お父さんとおばあちゃんが、おじいちゃんに色々話しかけてる。もちろんお姉ちゃんや弟も。
その様子を見ていた私は天上の異変に気づいて上と下を交互に見てました。
父「ほら、お前もじいちゃんに何か言ってやれ」
「え。あぁうん。…うーん。ありがと。」
そう言うのが精一杯で。
その後すぐに病室を出て、窓から暗い外を見てました。
父「○○(私の名前)、何か見てたのか?」
「なんで?」
父「お前が何かを感じ取って見てる時はすごい鳥肌が立つんだよ。なにかいたか?」
「マジでかそんな能力身につけた?特になにもいないよ。…ただ、じいちゃんは今夜死ぬと思う。天上がさ、隅の方からジワジワと黒くなってんだよね。あれ、たぶんお迎えだよ。部屋暗いし。」
父「…」
私を追ってきた父が黙る。
言ってすぐ、病室から皆出てきて。
帰ろうかって病院を出たところで私のiPodが壊れました。悲しい。高かったのに。
そしてまだ空も暗い時間。
朝方か深夜か…そのくらいだったと思います。
寝られずケータイをいじっていれば下の階で親がバタバタしてる。
やっぱりか。と思って下に降りた私は言いました。
「じいちゃん、死んだでしょ。」
母「なんで分かったの!?」
「病室の天上、黒くなってた。部屋も暗かったし。iPod壊れたしっ。お迎えきたんだなって思ったよ。」
母「iPodは知らん。お前はそそっかしいから先代も壊してるだろ。とりあえず病院行くから、姉起こして準備しな。」
「バイト代が消える…」
母にイタイとこツッコミされて向かった病院。
おじいちゃんはもう亡くなっていてその後はもうバタバタ。
祖父母の家で送りの身支度をしてもらって葬儀屋さんと色々話をして。
子供達はやる事もないもんで従兄弟達と話したり色々。
私はというと、フラフラ出歩くおじいちゃんを見てました。
「(いやいるんかいっ)」
廊下を歩いたり居間を通り抜けたり。意思もなくフラついてる感じで動いてました。
「(やっぱり完全に上に逝くのは49日過ぎなのかな?)」
そんなおじいちゃんをジーと見つめて。
しばらくは”あ、いる。”って感じでしたが、今はちゃんと成仏したようで見かけません。
たまに夢に出てくるけど。
でもたぶん、またあの嫌味ったらしい笑い方であの世で楽しくやってるんだろうな。と思います。
以上9つ目でした。
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