第8話知らない男の子の警告
8話目。
これは私が駅から歩いて帰ってた時です。
この頃は私もまだ、幽霊見え始めた頃くらいだったんで見る度に”うわ!”ってなってたんです。
最初の頃はちゃんと怖がってたんですよ。はい。慣れただけで。
そんな私の前には横断歩道。
私の住んでたところ、交通ルールが独自に進化を遂げていまして。
青信号→進め
黄信号→進め
赤信号なって相手側が走り出すまで→急いで進め
下道最低70〜80キロ走行。60キロはビタづけの鬼煽り運転。
と言う。
法律をねじ曲げた進化…(退化?)だったんですが。
そんな中帰り1時間以上かけて歩くのに歩道側の信号が青になるのを待ってたんです。
「今日は車少ないな。どうしたんだろ。何かあったりして。」
いつもなら結構な台数ある道路もこの日はなぜかスカスカ。
まぁそんな事もあるか。と歩道の赤信号をまだかなぁと眺めて立つ。
横断歩道の先では、小学生くらいの男の子が同じく信号が変わるのを待っていました。
「あ、変わった。歩くか。」
車側の信号は赤に変わり、赤だった車側の信号は青になる。
同時に歩行者側も青になって横断歩道を少し渡った時。
ーグシャ!!
「え!?」
目の前を歩いてきていた男の子の首が取れたんです。
よく見れば少し古い?格好。
平成でも見ないようなボロっちい感じの服。
ビックリして思わず足を止め、二度見をした時にはもうその姿はありませんでした。
私は初めてみたその光景に驚いて足が動かない。
ハッとしたのはそう、信号無視の車が爆速で私の前を通って行った時でした。
ブォォン!!
「うわ!!あぶね!!!」
カーブでもスピードを落とさず去って行く車。
私は二重の驚きで呆然としながら家路につく事になったのです。
「たでーま。」
母「おー。なにすごい顔して。」
「それがさ。マジで事故って死ねよって思うんだけどさ。」
家に着いて居間で寝転ぶ母が面倒くさそうにおかえりと言い、私の顔見て聞いてくる。
なので私はあった事全て話しました。
男の子の事と車の事。
口悪くキレていたんで、母に「口」と注意はされたんですが。すぐにテレビに視線を移して何となしに言われたんです。
母「その子に会ってよかったじゃん」
「目の前で首落ちたのに?」
母「それを見て足を止めなかったらお前、その信号無視の車に轢かれてただろ。教えてくれてたんじゃないの?」
「たしかに!!あっっっぶね!!」
たしかにそうです。
あの子を見てなければ確実にあの車の通過点に私はいました。
命拾いしたんです。
母「まぁあんま見ていいもんでもないだろうけど。今回は感謝しといた方がいいんじゃないのか」
「そだね。あそこ何かあったんかな?」
母「知らねぇよ笑まぁ防空壕あるくらいだからそういうのは多いだろココ」
「たーしかに。」
母に言われた通り、あの子には感謝してます。
だがしかしあの信号無視の車は許さん。
皆さんも知能ダチョウ以下の人間モドキが車のハンドル握ってる事もあるので気をつけて下さいね。
8話目、以上です。
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