宝石の娘
シュバルツ・クーゲルシュライバー
00話 箇条書き(完成後消します)
かつては栄えた宝石のとれる鉱山のある村に生まれた娘が、当時の名残のある宝石を見て宝石に憧れて育ち、宝石を求めて山に入った先で迷子になる
迷子になった娘を探しにきた村人の1人が足を踏み外して滑落し命を落としたが、娘が近づくとその遺体は輝きと共に宝石に変わる
村人が変化した宝石を胸に隠して持ち帰った娘は、その妖しい輝きに魅了されてしまう
それから村で大きくなった娘は、自らを磨く努力を怠ることなく育ち、気づけば都会のアイドル達にもひけをとらない宝石のような美しさを持つ少女へと変わっていった
しかしどんなに美しく育っても村を離れようとはしない娘は学校を卒業しても村に留まっていたが、その美しさゆえに時おりモデルのような仕事をするために都会に出てきた。その際につけている宝石はどれも美しく輝き、かつて栄えた宝石の村を思わせるものだった
そんな彼女には秘密があった
魅力的な彼女に惑わされたものが彼女と共に村を訪れる。美しくなりたいもの、村にあるという宝石を眺めたいもの、あわよくば……と良からぬことを考えるもの
様々な人が村を訪れ、宝石に魅了される。そして帰ってからもなお魅了されたまま、彼女たちは再び村を訪れる
魅了されたもの達は宝石のことしか考えられず、宝石がとれたという鉱山に足を運ぶ
閉じたハズの廃鉱山がなぜか入りやすく手入れされており、彼女たちはフラフラと誘われるように山に入り、鉱山へと向かい、そのまま帰ってこなかった
美しい娘が山に入ると、そこには人の形をした土の塊がある。からからに乾いた土塊を丁寧に手足から砕いていくと、その中から宝石の粒が現れる
美しいものからは、より美しい宝石が
人によって輝きを変える宝石にうっとりとした表情を向ける娘は、人からとれた宝石を持ち帰る
たくさんの宝石の中、少し小さめの粒をごくりと飲み込む。すると娘は体の内側から宝石のように輝きだすような感覚になる
そしてそれは実際に娘を美しく、魅力的に育てていく
大きな宝石は身を飾り、
小さな宝石は身を造り、
全ての宝石が娘を彩る
娘は幸せの絶頂にあった
チクッとした痛みの場所を見ると、ぷっくりと膨らんだ血の玉が宝石のようにみえる。
「ああ、キレイ……」
よく見ればそれは本当に宝石になり、傷痕から体が宝石に変わっていく。宝石がつけた傷から、娘は宝石に変わっていく。
しかしその宝石は誰のものよりも美しく、どの宝石よりも愛おしく、鋭く尖った宝石を抱きしめて砕け散った娘。誰よりも美しく輝いた宝石の娘。その瞳は万人を魅了する究極の宝石と呼ばれ、後世へと語り継がれる。呪われた神の宝石として。
数百年後。誰の目にも触れぬように山の洞(ほら)に隠された、まるで見つめ返してくるような美しい宝石を見つけた娘がいた。
「まあ…なんて素敵な宝石……」
もっと近くで見よう。もっと近くで。もっと……
後日、山の付近で多くの行方不明者の痕跡と、えぐり取られた瞳が発見されたが、瞳の持ち主は特定できなかった。というよりも、その持ち主は瞳を失っていなかった。その娘は、見つめられると魅了されるような、妖しく輝く宝石のような瞳をこちらに向けて笑いかけてくるのだった
宝石の娘 シュバルツ・クーゲルシュライバー @schwarzer-Kugelschreiber
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