11〜15 あらゆることがめんどくさなったからもう遅い

先生は俺の方を見た。


 まるで俺への当て付けのようだ。


 俺が文化祭をサボり続けると言う、俺らしくない行動から俺の状況を考えて、あえてグループワークと言うことをして来やがったようだ。


 うぜぇ


 「あの、その進め」


俺は黙っている。


 意見を出すのも考えるのもめんどくさい。


 先生は

 「一人一人意見だせよ」


 ニヤリと笑って 、俺の方を見て言ってくる。



 そして、担任はいつも通り席に座りパソコンをやっている。


 相変わらずの放任主義だ。


 

 先生はきっと俺がボッチだから、グループワークで精神的ダメージを与えようとしているのだろうが、


 めんどくさい俺には関係ない。


 「あの、文化祭本当にごめんなさい。」「俺も、まさかみんなが休んでるとは思わなくて」「本当は俺だって行けたんだ。」


 反省会が謝罪会になってる。


 俺は黙ってる。


 そして、このグループワークを始めたクソ教師は俺達を見ていない。


 ならあとは簡単だ。


 俺はこのまま何もしない。


 司会だって別にやらなくていい。


 ただ誰かが勝手にこの状況を対応してくれるからだ。


 結果、俺は意見を出してないが、反省は準備の遅れにあったと言う意見になった。俺以外は欠席や遅刻しない、連絡等のことを反省としてあげていた。


 何も考えてもない分、数学より楽だった。

   

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12

 「なぁ、今日さ、打ち上げやろうと思うんだけど来ない?」

 クラスメイトから声をかけられる。


「めんどくさい」

 打ち上げとか、めんどくさ過ぎるだろ。前は自分からみんなを誘うタイプだったけど、もう楽しいと思えない。


 「でも、ほらみんな来るし、」


「・・・」

 

 「ほら、でもいま準備頑張ってくれたし」


「めんどくさい」


「頼む、みんなお前に来て欲しいんだ。」


いや、空気が悪くなるだろう。


 「なぁ、あの時は俺たちが悪かった、けど正直、お前が少しはしつこかったところはあるだろう。」


そうなんだろうね。


 「・・・」


「今まで仕切ってたんだから、最後くらいはみんなとやってくれよ」


「めんどくさい」

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13

 「クソ兄貴!!帰ってきたら、ただいまくらい言いなさいよ!!」


「・・・めんどくさい」


「最近ずっと、アンタめんどくさい、めんどくさいってなんなのよ?カッコつけるの?ただいまより文字数多いし」


 確かに言われてみたら、帰ったらただいまと言わないといけないと考えること自体めんどくさい。


 「めぇ」


「はぁ??」


 俺は思った。俺がめんどくさいとしか言わない相手なら、めんどくさいと言うのもめんどくさいので、めぇだけで伝わるだろう。


 「何それ?めんどくさいって言いたいわけ??ってちょっと待ちさいよ。」


俺は部屋に入ってベットに入る。


 あー、最高に気持ちいい!!


 俺の一日疲れが吹っ飛び、一気にテンションが上がる。

 

 俺は気付いてしまった。学校で使う力を全て家で使った方が効率的と言うことに!!

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14

俺は朝起きると、携帯が付いていた。


 今にも着信がなっている。9999件めんどすぎやろ。


ーーーーーー

 「なんで返信を返してくれないの?」

 クラスメイトの女の子に話しかけられる、えっと一、一、一名前ど忘れした。


まぁいいや、言うことは同じ

 「めんどくさい」


 「私、貴方の頑張る姿が好きだったの。だから文化祭は本当にごめん。私は本当に熱だったの」


 「・・・」


「本当にごめんなさい!!」


「めんどくさい」


「そうよね、今更謝られてもめんどくさいだけよね。」


めんどくさい人だな。これは口に出さないでおこう。


 結局その後もしつこく連絡が送られていたから、連絡先を消した。

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15

一葉視点


 さっきは彼に謝ったが、彼はもはや話を聞いてるような素振りはなかった。何度も連絡をしてるし、授業中の今でも連絡してるけど全く返す気はなさそうだ。


 彼はいつも授業中は必死に付箋やマーカーを付けて、誰かに貸せるようにみやすくとっている。


 けど今は3色ペン一本しか持ってきていない。上の消しゴム使ってるし、


 彼はシャーペンの上の消しゴムを使われても全く怒らないタイプだったが、自分では全く使わない。けど今は容赦なく使っている。


 


 その後の授業なんて、ノート提出がない授業は全て同じノートを使っている。しかも何も書いていない。


 前までならしっかりまとめられていたのに。


 あくびもこれで8回目だ。


 しかも隙を見ては寝ている。


 今の彼は前の彼とは完璧に別人だ。

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