6〜10 あらゆることがめんどくさなったからもう遅い
文化祭二日目 クラスメイト視点
クラスメイトは昨日から文化祭どころでは無かった。何故なら、普段なら絶対に途中でも参加する男が居なかったのだ。
今日は来ることを願っている。
だが、クラスメイトも自覚している。自分たちが普段から酷い扱いをし過ぎたことを。
実は準備段階で既に本人に別な時間を教えて、一人でやらせたことがある。でもめげずに、頑張っていた。
だから、今回居ないのはあり得ない状況だった。何より、連絡が届かない。
先生が入って来た。
「昨日はお休みして、申し訳ない。どうやら・・・午後はそれなりに頑張ったようじゃないか。」
先生は面倒みが悪い。だから基本お任せ状態。だがらこそ、自分に被害がある面倒ごとには厳しい。
「今日はちゃんと朝からしっかりやれよ、たとえあいつが居なくても」
そして、クラスメイトはずっとある人のことが気になって集中出来てなかった。
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7話
文化祭三日目 クラスメイトの一葉視点
「ねぇ、おとといから私がメール500件送ってるけど返ってこないよ。」
クラスメイトの中山さんのほぼイタズラメールに驚きを隠せない。
「送り過ぎじゃない??まぁ私も100件になったけど」
彼はメールを送ると基本すぐに返してくれる。だからメールでやり取りがすごく楽しく、普段から癖になるくらい送ってる。
だから返信が返ってこないのは私達にとって恐怖でしかない。
そして、結局今日も彼は来ることは無かった。
【文化祭、みんなで楽しもうぜ】【やっぱり、ある程度は頑張ればもっと楽しめる】【せっかくだから、優勝目指そうな】
真剣な彼が文化祭の前に言っていた言葉が頭に蘇る。
そして後夜祭、やっぱり彼が顔を出すことはなかった。
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8話
文化祭の代休開け 初日の学校 主人公視点
「兄貴!!文化祭はまだいいけど学校は休めないでしょ!!出て来なさない!!」
「・・・めんどくさい」
確かに学校は行かないとまずい。出来ればこのままニートになりたいが、流石にそれでは生活が出来ない。口ではこんなこと言ってるが、ゲームとかやりたいことはまだたくさんある。
「・・・兄貴・・・顔がすごく兄貴とは思えないだらしなさ・・もっとシャキッとして!」
「・・・めんどくさい」
ただそう言う、身嗜みとかはめんどくさい。
「ちょっと!兄貴!!朝ごはんは!!」
「・・・めんどくさい」
そして、俺は家の扉を開け・・・めんどくさい。
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9話
俺はもう基本的に人と関わりたくない。究極に冷めてしまっている。
誰も俺に話しかけないで欲しい。
だがそうは行かなかった。
「おはよう矢木、その文化祭はごめんね。」
一葉に話しかけられた めんどくさい。もう謝罪とかどうでもいい。
「・・・」
「矢木??その日の私はね、もう疲れ過ぎちゃって」
「めんどくさい??」
「そう、めんどくさい、わけじゃなかったのよ。でもその日は体力的にきつくて、だからその本当に、本当にその日は、動けないくらい筋肉痛で、、だから信じて」
そう言う感じに迫られるともう
「・・・めんど」
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10話
授業がめんどくさい。
ペンを持つこと、頭を使うこと。
担任の数学の先生。
昔は正直苦手だったが、今ならあの先生の気持ちがわかる。
だから、安心してる。あの先生はめんどくさい授業はしないはず。
「今日は、本当は普通に授業やるつもりだったが、グループワークにした。」
そして、先生は俺の顔を見る。
ふざけんなおい。
クソ、めんどいイベントをいきなりやらせやがって。
「ちなみに、内容は文化祭の反省会だ。」
しかも数学関係ない。
「おまえら、しっかり反省して、反省内容をまとめてこい。一人一人意見を通すことな。あと、司会をランダムで決める。」
そして、席の位置が窓際という、ピンポイントで俺の場所を特定して来やがった。
めんどいな。
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