6ー10話 クラスメイトに死ねコールをされたので飛び降りた
妹視点
お兄ちゃんはいつも弱気だった。
だから頼まれたことがあると、何でもやろうとしてしまう。
辛いことを平気で抱え込むタイプだった。
私はお兄ちゃんに言われて思ったけど、そんなお兄ちゃんのことを私は嫌いじゃなかった。
筈なのに、いつからだっけ?そんな態度になったのは、
いつからこんなに平気で自殺も出来るくらいにお兄ちゃんを追い込んだのは
「ごめんね、お兄ちゃん、お兄ちゃん」
お兄ちゃんは感謝をすると顔を逸らしてけど、私の握る手を離そうとはしないで握ったままにしてくれた。
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7話
自殺しようと思ったのも、学校は地獄だし、家も酷い。俺に居場所なんてなかった。
今凄く、思うんだけど、入院中の今は凄く落ち着いてる。
誰もいない。自分一人でゆっくり落ち着ける。
幸せな空間だ。
「優くん」
だと思っていたが、幼馴染がお見舞いにやって来てしまった。
「春か」
「お見舞いに来たよ」
ーーーー
「・・・」
「・・・」
ずっと無言が続く。もう春から謝罪は聞いたし、許した訳ではないが、どっちみち春は俺の元に来る。
話す事がない。いや無くなっていた。春が俺をクラスメイトと一緒に虐めることが当たり前になって、元から俺と話していた感覚も下手したら内容も忘れてしまったのだろう。
さっさと帰って欲しいなぁ。
「優くん」
「・・・何?」
「私ももう虐めないから」
「うん」
聞き飽きた。もう何度も書いてる。俺からすると平和な時間を削られる今も虐めだわ。
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8話
過去編
気がつくと、クラスメイトは俺をみると笑うようになっていた。
俺は物を隠されるようになっていた。
「この時間に集合なぁ」
その時間に行くと友達は誰も居なくて、ハブられることが当たり前になった。
クラスメイトの横を通ると
「きもぉ」
そんな一言を言われるようになった。
春にも
「優くん、最近のキモいから話しかけないで欲しい」
そうやって直接言われて、俺は孤独になってしまった。
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9話
「なぁ、春」
「・・・何?優くん?」
「俺の何がキモかったんだ?」
「・・・それは」
春はすぐに答えない、妹同じだ。
「・・・本当はキモくなんてなかったよ。好きだった幼馴染だったし、」
「・・・つまり、その場で言わないとダメだったのか」
「・・・違う、私は優くんを虐めるのが楽しくなっちゃって」
「・・・」
好きな人程、虐めたくなる。まさきにその通りだと思う。
まさかそれで、俺がそんな目に合わないといけないなんて、
「度を超え過ぎなんだよ」
「・・・そうだよね。ごめんね、優くん」
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10話
俺は退院することになった。
「お兄ちゃん、おかえり」
おかえりと言われたのもいつぶりだろうか
「・・・」
ただいまって言葉が出なかった。
視線を合わせるだけにした。
「・・・お兄ちゃん、お父さんとお母さん帰ってるから」
「そうか」
ーーー
「・・・優、退院おめでとう」
「元気になって良かった」
二人から心配されるのは久しぶり・・・だったらいいのに、
「・・・」
少なくとも俺の記憶では初めてだ。
「・・・俺、この家を出たい」
「・・・優!!」
「・・・っ」
「お兄ちゃん!!」
家族が反応する。そりゃ今更心配されても大切にされても遅いだろう。
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