第二章-3「自分と人間が嫌いな私より」

 学校の屋上以外も封鎖しなくてはいけないのでは無いかと思った。自殺を成功してしまう人が年々増えてしまっている中、屋上からの飛び降りを塞ぐ為に、学校以外の対策を見た事がない。

 まず、飛び降りをするとどうなるのかを教えてから、その後の選択肢は皆に任せようと思うのだが、何十階の位置から飛び降りる場合、全身の骨は粉々になるだろうし、筋の部分は衝撃で痛いを通り越して麻痺するだろうし、高確率で頭を打つので大量出血をしてすぐに死んでしまうだろうし、そもそも真っ直ぐ建っているとは限らないので、飛び降りた先が一度屋根の上だったり、車のボンネットとかだったりするかも知れないので、身体を支えようとした腕などもボロボロになるだろう。

 駅のホームからの場合、残念な事に自殺を試みたあなたの家族に高額の請求が来るだろう。そして、そんな事も知らない無事に成功してしまったあなたは、身体はバラバラに飛び散り、頭も吹っ飛んでいる頃だろう。電車の速度はトラック以上の衝撃があるだろうから、あなたの体の一部を拾う医療者達が大変だろう。けれど、それでも火葬は義務なので、バラバラな状態であなたは火葬される。そして、電車は次から次へと見合わせや遅れが発生する。午前中ならば通勤の人達が迷惑するだろうし、午後ならば早く帰りたい人達の邪魔をするだろう。あなたが無事成功しても、周りは迷惑と不運という複雑な気持ちを抱えてしまうので、どちらにせよ、自殺というのは犠牲がつきものである事を覚えておいて欲しい。それでもやりたいのならお好きにどうぞ。私は止めません。それほど、自分の人生を早々に捨てて、現実逃避すら不可能な環境になってしまったのだから。


 まぁ、そんなグロテスクな話は置いておいて。

 私は、自殺だとかそれでも未遂を望んだ事は一度も無い。ただ、絶望のどん底に堕とされた日には、遺言や自傷、死ぬ方法を考えたり、反対に、人の殺め方を考えたりする。そうすると、少しは気が紛れて世の中に諦めが付く。


 人間は、大きくて三等分に分けることが出来る。頭・胴体・足。そこから、時間はかかるが更に細かく分けていく。唯一不要なのは、目・爪(手と足)・髪だと思うので、それは事前にとっておく。・・・・・・みたいな事を考えると、個人的にはストレスが緩和する。

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