第二章-2「自分と人間が嫌いな私より」
自撮り。
スマホというものが存在し、若者の間で自撮りが流行して来てそれが当たり前になった時期、私は、何故自分自身を撮ってスマホのフォルダに保存しておく必要があるのかが理解出来なかった。自撮りをして、アプリで重加工して、「自分可愛いでしょ?」と言わんばかりに連投し、マウントを取る人が続出して混沌としているなと傍観していた。申し訳ないが、そのお陰で「醜形恐怖症」というものが存在するのでは無いかと疑ってしまうし、自撮りを投稿する事によって容姿を馬鹿にされたり、太っているなどと、その自撮りに対して簡単にリプライ出来てしまうので、あれはやはり「承認欲求」の塊であって、自分の顔も容姿も全て評価されたいだけである。沢山いいねがつけばまた載せるだろうし、例えば、可愛い洋服を買えたからそれを着た写真を載せたりだとか。人によっては、フォロワーに対しても顔を見たがるし、結局、自分を棚に上げて見下ろしたいだけなので、その誘い文句は罠だと受け取っておくべきだ。そもそも、顔を載せる事自体が自殺行為だと言うのに。
皆、型にハメたがる。
自分はこれじゃないかと言って、明日以降になればその型になっているし、自分はこの疾患じゃないかと思って、それの頭になってしまうし、人間の脳は一度思い込みをしてしまうと簡単に抜け出せなくなるのはご存知だろうか。例えば、「実は読者の皆様はカサンドラです。また、あなたの友人や家族は実は発達障害でした。」と伝えたとしよう〈※カサンドラ症候群とは:自閉スペクトラム症などの発達障害のある身近な人とのコミュニケーションや関係性に悩み、心身に不調をきたす状態〉。自分はそんな催眠に引っかからないと思っていたとしても、その伝えられた言葉が実は、頭にとって強い印象を与え、あなたの心理を操作してしまう。次の日、あるいは当日中にはそう思い込んでしまうのである。なので、発達障害の知識を持っている人は余計に、家族がそうなのでは無いかなどと思い始めて、自分を追い詰めていくだろう。これらは一種の洗脳であり、宗教と同じような仕組みだと思ってくれて構わない。
暴露療法や自己分析等の心理療法は、ある意味危険な療法という事をご存知だろうか。まず、暴露療法(エクスポージャー療法)とは、不安や恐怖を感じる状況にわざと身に置いて、不安を慣らしていくことで克服する療法を言う。見てわかる通り、パニックになる駅のホームや、街、車やバス・電車の中などと言った場所で行う療法なので、責任者はその心理士側にある。自己分析に関しても、ただ自分の事を書き留めておくのでは無く、『取扱説明書』のように事細かく分析し、客観視出来るようにする療法なので、個人差があり、人によってはかなり時間を要すると思われる。
どちらにせよ、医療が発達しているとは言え、一部の精神科医が「脳の病気」と言っているのにも関わらず、脳に直接通じる薬が無いのは非常に残念だ。必ず何かの神経や分泌系を阻害し、一部を優位にする結果、大抵の人は副作用が出てしまい辞めてしまうのは当然の話では無いのか。
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