第一章-6「世界は鬱くしい」

 薬物療法や心理療法、入院すれば治るとは決して断言出来ない。否、断言してはいけない。例え、発達した医療だとしても、それらばかりを頼って治療を進めてはいけない。特に、向精神薬や抗不安薬、睡眠薬などの副作用は、時に違法ドラッグのような悪魔の顔になる。依存性を高めたり、辞めたくても辞められない状態に陥ったり、違う病を発症させたり、最悪の場合は他の疾患と合併させたりする。用法用量守ればいいという話では無く、それ以前に、自分で根本的な原因と自己分析、客観視出来るようになる事が最優先だと思う。症状が軽い方ならば、食事を見直すだとか、運動やマッサージ、ストレッチなどを適宜に行っているかどうか、自分はどういう方法なら人生を楽しめるかどうかを、少しずつ意識しながら生活しなければ一生治るものも治らない。"病気と向き合う"のでは無く、"自分と向き合う"。ただ向き合えばいいっていう訳では無い。そして、認識して自己嫌悪をするのでは無く、認知の歪みを自分でやれる事を全て改善させる事。"難しそうだから出来ない"では無く、"やってみなければわからない"の意思で、認知行動療法を行う。

 よく、コメント欄で目にするのは「一度、入院してみるのも手ですよ。」とあるが、入院して人生が変わる人と変わらない人がいる事を忘れてはいけない。口に出すのは簡単だが、入院というものは入院費がそれなりにかかるので、症状が悪化する度に入院していては負のループである。

 私からすれば、「自分はこの疾患だから」と、固執しているから悪化するのでは無いかと思っている。自分が持っている疾患の存在を一度本気で忘れてみて、どうやって心が保たれるのかを自分でも考えないと、医者や家族だけの意見で過ごすのは間違いだと考えている。双極性障害なら、大体自分の気分の波の周期がわかるはずなので、「元気な内にやり遂げておくこと」や「元気を無くした時にやるべき事」を見つけ出すことで、少しは楽になると思われる。


 私は、知っておきたいもの、気になったものは、人に聞かずに自分で調べる癖をつけている。

 皆は、スマホを持っているというのに、SNSで「〜って何ですか?」と書いている。それは間違いである。人に訊く事が百パーセント悪いのでは無く、調べればすぐに答えが出てくるので、そのスマホでさっさと調べる。人に訊いたのと自分で調べた知識とでは全然違う。今は、何でも調べたら検索で出てくる時代なので、料理や曲のBPMや歌詞、病気の詳細など、暇なのであれば調べて見れば知識は身に付く。


 精神疾患は、「心の病気」では無く「精神に異常を来たし、脳に悪影響を与えた病気」の方が、一般の人によく伝わると思う。もっと略してしまうと「脳の病気」である。

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