第12話・スキルptの清算


「おいしい……!

 ここのパンケーキ、ずっと朝食に

 食べてみたかったんだ」


病院内レストランで、ボクは念願の

パンケーキを注文すると、その味に

感動しながらかぶりつく。


ふわふわのクリームがのっていて、

たっぷりのハチミツが、ナイフを入れる

度に染み出て来て―――


「ていうか加奈……

 お前は朝からチャーシュー麺に

 チャーハンかよ。攻めるなあ」


「そりゃ若いッスからねぇ。

 それに久しぶりの和食でもあるッスから!」


そういうあおいお姉ちゃんは、

サンドイッチにコーヒーを頼んでいて、


「それは中華である。

 それに年の問題じゃないような。

 食欲があるのはいい事であるが」


「まあ患者さんじゃないし、その辺は

 大目に見てあげて~」


理奈お姉ちゃんは納豆や焼き魚、豆腐の

いわゆる和食、


詩音お姉ちゃんはフレンチトーストと

フルーツサラダのセット。


不思議なのは、昨日もそうだったけど……

タッチパネルで注文した途端に、

そのメニューがテーブルに出現するのだ。


そして食べ終わってしばらくすると、

その食器から消えていった。


後片付けしなくて済むのは楽だけど、

これでいいのかなあ、と思っていると、


「あっ、そういえば……

 スキルptポイント見ないと!」


1日経過したので、スキルptの清算は

もう終わっているはず。


ボクはステータス画面を出して

確認してみると、




――――――――――――――――――――――


病院管理者:ミルトレッド

転生前:安藤あんどう蜜弥みつや


レベル:03


・現在のスキルptは10,550ptです。


・現在の病院内滞在者:4名


アデリーナ

転生前:白波瀬しらはせあおい


マイヤ

転生前:弥月みつき加奈かな


エヴァ

転生前:校倉あぜくら理奈りな


レイラ

転生前:和泉いずみ詩音しおん


滞在者pt:1日/700pt



――――――――――――――――――――――




……増えてる!?


あれ、待って?

昨日も確かスキルptを使ったはず。


それで今、10,550って事は―――

えーと、700pt-550ptだから、


つまり、昨日消費したのが150ptって

事か。


「どうしたの、みっちゃん?」


葵お姉ちゃんが顔を近付けてきたので、

ボクはスキルptの清算について共有する

事にした。




「なるほどッスねえ。

 でも、1日で150ptの消費に対して

 700pt加算なら……

 問題は無いんじゃ無いッスか?」


「あのなあ加奈、昨日は夕食くらいしか

 消費しなかったという事である。


 だとすると150×4(3食&オヤツ他)

 =1日600ptは、

 消費するって事なのである」


加奈お姉ちゃんの言う事に、すかさず

理奈お姉ちゃんが反論する。


「そうなると、あまり無駄遣いは

 出来ませんね~。


 お酒が高かったのかも知れませんけど、

 どちらにしても、無計画に使う事は

 避けるべきですわ~」


詩音お姉ちゃんの言葉にボクもうなずく。


「なあ、みっちゃん。

 維持費とかはどうなっているんだ?


 それが大きかったら、もっと節約しないと

 いけないかも……」


葵お姉ちゃんが心配そうに聞いてくるけど、


「そういう項目は見当たりませんでした。


 もしかしたら、昨日使った150ptの

 中に含まれているのかも知れませんけど」


「それくらいなら気にする必要も無いんじゃ

 ないッスかあ?


 あ、じゃあ私デザートで特製パフェ

 追加するッス!」


「お前なあ、まだ食うのであるか?」


加奈お姉ちゃんの食欲に、理奈お姉ちゃんが

呆れて返す。


そして出現したパフェを見て思わず、


「あ、じゃ、じゃあ……ボクも」


僕もおずおずと注文すると、


「あっ、そ、それなら僕もである!」


「アタシもだ!」


「わたくしもですわ~!」


結局みんなで、特製パフェを注文して

食べる事になった。


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