第4話・スキル発動


「ホラ、起きて。ご飯だよ。


 地球あっちのメシには及ばないけどさ」


いつの間にか眠っていたボクは……

アデリーナ=あおいお姉ちゃんの

優しい声で起こされた。


気が付くと、岩場のような場所に布を敷いた

ベッドのようなところで寝かされていて、


「起きたッスか?」


「おはようなのである、寝坊助ねぼすけ


「まずは食べないと大きくなれませんよ~?」


他のお姉ちゃんたちも一緒にいて、

彼女たちの顔を見てホッとする。


「……何か、病院に戻ったみたい」


ボクが照れながらはにかむと、


「そうだなあ。

 このメンバー、全員元あちらの

 病院組だもんね」


「後は武田先生がいれば完璧ッス!」


「じゃあ僕たちだけの場合は―――

 元の名前で呼び合ってもいいんじゃない?」


「そうね~、みっちゃんに会った時……

 みんな思い出したって感じだったし。


 これからはそうしますか~」


落ち着いたところで、ボクたちは洞窟のような

拠点で、改めて状況を確認する事になった。




「スキル、ですか……

 それ、実はボクには無かったみたい

 なんです」


その説明に、お姉ちゃんたちは目を丸くする。


「いや、でも―――

 例えばアタシには守護ガーディアンっていう

 スキルがあるんだけど……


 子供の頃、少なくともみっちゃんくらいの

 年頃の時にはもうあったよ」


「ていうか、スキル無しの人なんて

 見た事も聞いた事も無いッス」


「まだ気付いてないだけなのではないで

 あるか?」


「それとも~、まだ目覚めていないとか~」


口々にお姉ちゃんたちは疑問の声を

上げるけど、そう言われても……


「確かに、村でもボク以外の人はみんな

 持っていたかも。


 でも実際にボクにスキルは―――

 やっぱり何か呪文とか唱えたり

 するんですか?」


するとお姉ちゃんたちは『う~ん』と

うなって、


「やった事無いなー。

 せいぜいスキル名を宣言するくらい?」


「あんまり注意してやった事無いッス」


葵お姉ちゃんと加奈お姉ちゃんが、

否定的に話す。


「逆にスキル無しってのも、

 レアなのである」


「確かこういう場合~、

 ゲームとかだと、『ステータス』とか

 『オープン』とか言ったりするんじゃ

 無いかしら~」


理奈お姉ちゃんに続き、詩音お姉ちゃんが

言った言葉にボクはハッとする。

そういえば魔物に襲われるまで前世の知識は

無かったけど、今なら―――


「ス、ステータス!!」


大きな声でそのワードを唱えると、

ボクの目の前にゲームのような画面が

出現した。


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