第3話「記憶が戻れば」
僕は兄さんに頼まれて兄さんの婚約者さんである奏音さんのお見舞いを毎日している。
記憶喪失になってしまったらしく、自分の事も分からないと言っていた。僕は兄さんと奏音さんの結婚式が楽しみだったから奏音さんにはどうしても兄さんの事を思い出して欲しいと思ってしまう。
幸いにも結婚式やハネムーンの予定はまだはっきりと決めていなかったらしくキャンセル料がかからないと言っていた。
奏音さんが身を覚まして数日経ったある日だ、花音さんから突然、
「ねぇ貴方もしかしてだけど徹の双子の弟の千歌くん?」
と言われ、記憶を戻したと思い僕は慌てて看護師を呼びに行った、奏音さんには弟だと言った。
病院の先生曰く奏音さんは一部分だけ記憶が戻ったと聞いた。それも兄さんの記憶だけ。奏音さん本人の記憶は戻っていないのだとか、それを兄さんに伝えるとめっぽう喜んでいた。
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