第2話 レイフと、説教
まぁ、うだうだ言っていても仕方ないので、ナイト・レイフ=ヤイドールと名乗った少年についていく。
「ん?貴方のことはどうやって呼べばいいんでしょうか?」
「あぁ、まぁ普通にレイフって呼んでくれ。」
レイフ、レイフね。覚えた。
「レイフ、家ってここからどのぐらいのところにあるの?」
その問いに、レイフはふっと笑い、
「歩いて100歩もすれば、すぐ見えるさ。」
と答えた。
100歩どころか、こっからまぁまぁ大きい屋敷が見えるんですが...
「ほい、ついたぞー」
うーん...ごめんけど本当に反応に困る大きさだなぁ。行政部がある宮殿を見慣れた私からするとねぇ...
で、その玄関からレイフの姉らしき人が出てきて...
「レイフー?いつも言ってるわよねー?勝手に家を出ていかないって」
「げ、やっべ見つかった!逃げろー!」
レイフは逃げようとした。でーも、天使ってのは悪いことを見逃しちゃったら行政部と完全に同じものになっちゃうからね...
私は素早く足を出し、レイフを転ばした。
「許可ってのは大切なものなんですよ?許可ってのは大切な人を外敵から守るためにあるのであって、許可を得ずに自由な行動をするってのは"私はこれから危ないことをします"と言っているようなものです。貴方の大切な人がそんなことを言い出したら当然とても心配しますよね?それに、貴方は逃げようとしましたが、それはもう一度同じことをするっていうことで、より心配をかけることになります。貴方は心配をかけ続けたいのですか?それがいやならば出来うる限り許可を得るようにしましょう。確かに許可をとってはいられない状況があるかもしれませんが、それは少なくとも今じゃないはずです。分かりましたか?」
「は、はい...」
あ、柄にもなく説教しちゃったな。まぁいいか。
「あ、あの...」
あ、そういえば忘れてた。
「あー、えーっと、」
「まぁ立ち話もなんだし、取り敢えず中に入ろうぜ...」
あ、レイフ逃げようとしなくなったな。まぁ逃げようとしたら何回も転ばせるけど。
それで、私とレイフ姉(多分)はレイフの言う通り中へと入っていった。
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