『アモンカスタの鐘』 下の2
『なんだろう。あれは?』
議長さんが半分だけ叫ぶように言った。
シッポックは、まったく平然と答えた。
『さて、わかりません。しかし、我々を狙ったのは確かです。ちょっと外れたわけです。次回はもっと正確に来ますね。』
『何故わかる?』
『勘です。かん。』
『勘か? 勘は、あてにならない。』
『いえ、議長閣下。世の中の大半は勘ですよ。理屈はあとから付けるものですよ。特に政治家は。相手もそうかも。』
『まあ、そうだが。来た!』
『壁にくっついて。』
『ぎわ〰️〰️~。』
怪物は、こんどは叫びながら来たのである。
体長1メートルはある。
『たしかに、コウモリみたいですが、わあ!』
『わ! あぶな!』
『首を狙ってますよ。』
『吸血鬼か?』
『ちゃいますな。哺乳類ではないみたいです。視力はあまりない。体温か、心臓か、そこらあたりを感じてくるんでしょう。』
『じゃ、なんだい?』
『翼竜のような。爬虫類かな。翼が、コウモリとは違いますね。』
『翼竜のほうが、大違いだろ。またくるぞ。』
すると、シッポックが、フラッシュをたいた。
『ぎわ〰️〰️。ぎわ。』
『一旦逃げましたね。また、来ますよ。はやく、上がりましょう。たぶん、食事にしたいんでしょう。』
『くわばらくわばら。早くって、言われてもなあ。年寄りなんだ。』
『相手に年は、関係ないですよ。あなたは、栄養が良いし。』
シッポックが、また、フラッシュを瞬かせた。
『ぎわ〰️〰️~ぎわ〰️〰️~。ぎわ〰️〰️~✨』
『数が増えてますよ。』
『上からくるんだから。上に巣があるんだろ。』
『では、下がりますか?』
『まさか。上がろう。』
ふたりは、とにかく、ペースを上げようとしたのである。
すると、下の方から、ぶわん、というような低い音が響いたように感じたのである。
🧗♀️ 🧗♂️
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