『アモンカスタの鐘』 下の1


 ネサゲラーは、頭で上に昇る穴をふさいだような格好になった。


 蓋をされたわけだ。


 そこで、議長とシッポックは、小型潜水艦のハッチを開け、上方をライトで照らし出した。


 かなり深いことは確かである。


 『どこに出るんだ?』


 『海底洞窟の中は、測定不能域でしたから、正確には分かりませんが、鐘のかなり、近くに出るのではないかと推測します。』


 『きみの推測は、確かだろうな。』


 『勘です。ネサゲラー自体がかなり移動しましたし。はい。では、崖を上がりましょう。わたくしが道を開きます。基本は軍隊で習ったでしょう。』


 『忘れるくらい昔だよ。』


 『思い出してください。わたしが落ちたら、助けてくださいよ。』


 『頼むから落ちるな。』


 シッポックの腕力、体力は、人類最高級である。


 とはいえ、山登りはあまりやらないし、ここは洞窟の中だから、素人みたいなものである。


 『かなりでこぼこしてるし、上方はよくわからないです。慎重に素早くやりましょう。』


 ふたりは、登り始めたのである。


 すると、ネサゲラーは、すぐに頭を下げた。


 後の事は、分からないわけだ。


 非常に不気味である。


 空気は問題なさそうだ。幸いである。


 『議長の職務分担にはなかったな。』


 『いえいえ、‘’その他、地球の平和の維持に関わること‘’、というのがありますから。よいしょ。』


 『あそ。こらしょ。』


 なにか、良くない予感はあったのであった。


 つまり、何者かがいる、という感触だ。


 『なにか、いますね。』


 『うん。何だろう? こうもりか。』


 『かもしれませんが、この島の生態系の研究は、ないですからね。フライング・フィッシュかも。』


 『飛び魚か? そいつは、空中にはいないさ。』


 しかし、その刹那、何かがすぐ側を飛んだ。



   ☁️

     🐠ハイハイ ………  ☁️

  

        🏔️






 

 


 


 


 

 

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