脳筋

脳筋

「それでは指揮を始めます。」


「うん。よろしく。」


「それでは、どうにかしてあの恐竜の足元まで移動して下さい。」


「大分大雑把だね。」


僕は、全力で恐竜の足元まで移動する。


「それでは、右前足に打撃を与えて大勢を崩して下さい。」


僕は言われて通り、右前足に打撃を入れる。

すると、恐竜は短い悲鳴のような声を上げた。


“やったか⁉︎”


“それだけは言うなとあれ程……”


だが恐竜にとっては大きなダメージになっておらず、そのまま僕を踏み潰そうとする。


「足では大したダメージは入りませんか。それではどうにかして足を掴んで投げ飛ばして下さい。」


“アシスタント鬼畜すぎでしょ。”


“俺ちょっとこの子好きかも……”


「無理でしょ。」


「大丈夫です。きっといけます。」


「根拠のない自信。」


「行きなさい!源っ!投げ飛ばしです!」


「ポケモンかよ。というかさっき言ってた戦略ゲームって……」


「ポケモンカードです。」


“あれは戦略ゲームなのか?”


「あー、もうめちゃくちゃだよ!」


そして足に抱きつくような形で抱きつき、投げ飛ばしの体制に入る。

推定体重80t。ほとんど無理ゲーに近い。

こんな化け物を投げ飛ばす方法は一つしかない。


昔、日本人は怪力を持つ人種であった。低い身長から人間とは思えないような怪力をだしていたらしい。

女性でも60キロの米俵を軽々と持ち上げていたらしい。そしてその力の源。

それは、筋肉ではなく骨を使った動き方と徹底した和食生活。

そして骨を使った動き方は現在では骨法と呼ばれている。


膝を少し曲げて腰を落として、どっしりと構え、骨を意識しながら恐竜の足を持ち上げる。

そしてそこから身体を右に捻り、回転させ、投げ飛ばす。

推定体重80tの巨体は地面へと倒れた。まだ息はある。どう倒すべきか。


“おおおおおおおお!!!!”


“あいつの身体謎すぎだろw”


「大きめの石を頭に投げて下さい。」


「うわ、えぐ。一瞬カメラ止めてよ。」


「はい。」


そしてその場で大きめの石を拾い、思い切り投げる。

石は恐竜へと直撃すると、恐竜の頭を一発で砕いた。

そして恐竜は光の粒子となって消え、その場にはティラノサウルスの数倍の大きさの魔石が残った。


“こんなエグい戦い久々に見たかも。”


“なんでプロレスが面白いかちょっとわかった気がする。”


次回、『デート』


作者はインフルにかかりました。

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格闘技術縛りで最強になる(予定)のダンジョン配信者 海野源 @gen39

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