第4話決意

「親父さん、金でも受け取ったんじゃねーの?」


中学の卒業式で真希は健に言われた。


「それより、何でわたしと同じ公立高校なの?」


「それは、別に。」


わたしのため?


「俺一人でも甲子園には行けるからよ。」


「自信過剰!」


「女優なんてしないで、またマネージャーしてくれよ。」


「わたしを何だと思ってるの?」


真希は、涙を流した。


「いや、泣く事ないだろ。ただ女優なんて危ない職業、させたくないからよ。」


「健は、いつも自分勝手。」


沈黙が流れた。


2人で教室にいる。


「わたし、決めた!健が手に届かないくらい有名な女優になる!」


「何だよ!それ。」


健は、珍しく焦りをみせている。


ノーアウト満塁のピンチだ。


「分かったよ!勝手にしろよ!」


健は、怒って教室を出て行った。


真希は健からの言葉をずっと3年間待っていたが捨てると決めた。


女優になって見返してやる。


マネージャーをしていて健が活躍する姿が誇らしかった。


意気地なし!


と真希は呟いて教室を出た。


健が、下級生の女子に囲まれていた。


切ない気持ちになったが無言で横切った。


新しい自分になるんだ!





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