第3話スカウト

真希は、たまたま原宿に友達と遊びに行ってはぐれて迷子になってるところに


「あの、あなた特別可愛くないけど、後ろ髪を引かれるクセのある可愛らしさ持ってますね。」


とスーツ姿のラガーマンに声をかけられた。


真希は、褒められてるのか貶されてるのか分からなかった。


「はぁ。」


とだけ答えた。


「女優になりませんか?」


「は?」


怖くなって来た真希は逃げようとしたがラガーマンが土下座をして


「お願いします!」


と頭を下げて来た。


真希は、頭の中が真っ白になって


はい!と答えてしまった。


それからは記憶が無い。


朝目覚めると自宅のベッドの上で起きた。


夢か?


健にバカにされると思って恥ずかしくなった。


リビングに行くと


ラガーマンが両親に土下座をしていた。


「なぁ、真希、女優になりなさい。」


と頑固な父が真希に言った。


「何言ってるの?お父さん!TVドラマもまともに見たこと無いくせに!」


「真希!決まった事だ!五十嵐泰造さんにお前を任せた!」


「五十嵐泰造さんって誰よ?」


ラガーマンが、自分を指差した。


「お母さんも賛成!」


母は、ただのミーハーなのだ。


お兄ちゃんは、ゲラゲラ笑って喘息を起こし寝ているらしい。


健に何て言おうか真希は想像した。


「あ、健君には電話しといたから。」


余計な事まで。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る