『怪獣 ジセーのクー』 中の7


 警部に、また、新たな事件の報告があった。


 『夜のワイド・ミステリー番組の原則から外れてるぞ。連発しすぎだ。』


 『またですか?』


 『ああ。3件連発。伊豆だが、次第に場所を変えている。天城峠から、河津町、東伊豆。』


 『なら、次は熱海だな。』


 荒川博士が呟くように言った。


 『こやつ、まったく検問に掛からない。おかしい。どこを移動してるんだ。』


 『異次元ですな。』


 『はあ? ばかばかしい。』


 『しかし、理屈は立ちますな。』


 『理屈がたつわけがない。おいらだって、一応、高校出てるんだから、そんなのあるわけがない。』


 『確かにね。しかし、警部さん、世の中のかなりの部分は、我々から見たら、まったく理屈が立たないで、無理やり成り立ってることを考えなさい。理屈が立つなら立派なものだ。こいつは、異次元をトンネルにして移動している。というか、本来向こうから来たならば、こっちにお邪魔するんだ。食事のために。』


 『警部、帰りましょう。時間の無駄です。』


 『まて。急ぐな。ああ、博士、ならば、どうしたら良いのですかな?』


 『経費払う気があるかな?』


 『だから、帰りましょう。』


 『まて。結果が良ければ、払おう。請求してくれ。出来高払いだな。』


 『ふん。まあ、仕方がないか。しかし、君たち、ジラ!事件、を知っているなら、もうちょい、敬意を払いたまえ。 〽️ ぷー、ああ、キューさん。来てくれ。次元移動装置を持ってきてほしい。』


 『〽️ ぷー、あいよ!』


 


 


 

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