15日目2 逆流星群
樹々の上空に見える飛行影はすでにタイプCタレット(ブローニングM2重機関銃)の有効射程に入っているが…ふむ、どうするか?
久しぶりにPC経由でカメラ映像を拡大してみると、人間サイズというべきか、羽毛に覆われている以外はほとんど人間と変わりない胴体に両腕が鳥の翼になったような姿だ。
まあ、いまさら友好的な妖精族がポップした可能性を考慮する必要はあるまい。
よし、撃っていくぞ。
拠点屋上に設置された2門のM2が重低音を響かせながら射撃を開始し、マッハ2.5にも達する.50BMG弾頭が飛翔する。
空中の影が数体砕け散ったが…ちっ、散開しやがったか。
対空機銃としても申し分のない性能を持つどころか航空機銃としても華々しい実績のあるM2だが、いかんせん対象が比較的小型でああもひらひらと散開されると、接近阻止にも限界がある。
…問題はそれだけではない。
対象はまさに鳥のような速さでこちらに接近しつつあるので、このまま行くとその飛行高度およそ200〜300mに対して屋上タレットたちの仰角が足りなくなってしまう。
要するに、屋上のタレットたちは真上に撃てるようなセッティングになっていないのだ。
あっという間に1km圏内に接近してきたのでタイプBタレット(FN MAG)も迎撃射撃を開始するが、『
すぐにタイプAタレット(FN MINIMI)も射撃を開始したので、計3種類の弾丸が猛烈に空に向けて放たれるが…くそっ、早くも一部が仰角限界を超えてしまった。
俺は急いで屋上にタイプAタレットウォーカーを5機召喚する。
…まさかの直上防空戦とはな。
しかし、ウォーカーたちはタレットを載せている身体ごと仰け反らせることで、ほぼ直上にも射角が向けられるぞ。
「キーキー!」
「キキャー!!」
タタタタタタタタタタタ!!
タタタタタタッタタタタタタ!!
屋上に向けて急降下してくる新
「ギャッ!?」
「キッ!!」
胴体も羽毛に覆われている新
…そうして大部分は撃墜できるのだが、稀に対空砲火をすり抜けた個体が鋭い脚の爪でタレットウォーカーに襲いかかってきた。
メタリックボディのタレットウォーカーがそれだけでやられることはないのだが、いかんせん白兵装備を持たないので組み付かれると撃退できず、一機また一機と揉み合い状態で無力化されていってしまう。
ガシャーン!!
「きゃあ!?」
地下居室にも響いて聴こえたのは、大きな衝突音と破砕音だ。
タレットたちは迎撃で忙しいから、屋上の監視カメラを操作して急いで状況を確かめる。
…くそ、コイツラ急降下と同時に足に握った石を落として爆撃してやがるな。
これはかなりの威力で、屋上タレットの一部には銃身がひしゃげて射撃不能になってしまった物まである。
おまけに太陽光パネルが次々と粉砕されていって…表情の読めない真っ赤な瞳を持つ飛行怪物どもが、まるで戦果を誇るようにキーキーと
こ、こりゃマズいか!?
「
その時、鳴りやまない激突音に涙目になった
…血流が下半身に移動することで冷静になってきたぞ(恒例行事)
「大丈夫だ。しょせん自然石の激突ごときでは地上ガレージすらビクともしない。それこそ、バンカーバスターの直撃でもなければ俺たちに危害を加えることは不可能だぞ」
俺は
よーし、もはやパネル類を護るのは諦めた。
「「「 キー!? 」」」
俺が『タレット』スキルを発動すると同時に、
鳥
逃がすかよ!
30機を超えるタレットウォーカーたちが一斉に座り込み、後ろ手をついてヨガのストレッチのような姿勢を取ると…全員撃て!
その時、30門のMINIMI軽機関銃から同時に放たれる5.56mmNATO弾、実に毎分22000発の逆流星群が空を埋め尽くした。
「「「「 キー!? 」」」」
「「「「 ギャー!! 」」」」
うおお〜! 落ちろぉおおお!!
馬鹿げた弾幕密度に晒された鳥どもは、もはや血煙をあげる空中標的でしかない。
ふはははは! 圧倒的じゃないか我が戦力は!
…と、いかん。興奮してる場合じゃないぞ。
太陽光パネルを全滅させられたことは
この拠点における防空戦は明らかに
…むしろ他が危ない。
俺は地上接近の
…よし、タレットスキルの残り枠を投入して、タレット
同時に屋上のタレットウォーカーたちが順々に梯子を下って整列していく。
よし、30機を3隊に分けて10機はこのまま拠点防衛。
APC1台につき10機が乗り込んで、これで緊急の対空防衛分隊が二つ出来たぞ。
このうち1分隊は穂積親子の籠もるダミー拠点へ救援。
もう1分隊は熊野市生存者コミュニティへ急ぎ派遣だ!
例によって付近一帯の
だが、何しろ今度は移動速度の速い飛行モンスターだからな。
救援を送るなら一秒でも早い方がいいだろう。
急げ! 進発だ! ゴーゴーゴー!
拠点の周辺で陣地防衛にあたっていたタレットウォーカーが2機がかりで校門型ゲートを押し開くと、車両上にしがみついたタレットウォーカーたちが銃身を空に向けた
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