5日目1 防衛網
サバイバル生活5日目 06:45
うーむ、今日も充実した朝食だった。
俺が一人で世捨て人生活をしていた時には、よくてパンを一枚焼くかほとんどの場合は朝食を抜きにしていたのだが…それが今や一変してしまったな。
今日は洋風の気分だった
…いや、違うな。
この手の込んだ朝食が喫茶店の高級メニューではなく、
すまんな…世の男性諸君。
この一見美しくも人当たりがキツそうな金髪ギャルが作る、しかし印象とは異なりフレンドリーで料理上手なおっぱいギャルが作る、手が込んで彩り豊かな家庭的料理を毎日食べたい諸君よ。
本当にすまん(煽り)
…そしてこれがまた
この美味い飯に俺は支えられている。
おかげで毎日の目覚めも快調そのものであるし、なかなか大変だった昨日の
…それに昨晩の
地上社会への援護射撃という目的も増えたのでちゃんと頭を切り替えて行かなくてはならないし、それに
ともかく、記録への挑戦はまた今夜に取り組むとして、今日はまた色々と試したいことがあるのだ。
『修理』と『DIY』のルーチンワークを終えた俺はソファーに座り、
そして、昨日までならここからはPCデスクに向かうところなのだが、一晩でまた事情が変わったぞ。
まあいくつか説明を要するので、まずはスキルを確認していこう。
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討伐Lv26
討伐ポイント 338Pt
《コモンスキル》
棒術1
射撃6
操縦1
《レアスキル》
修理3
DIY2
《ユニークスキル》
タレット17
┗
┗タイプBタレット
┗
掲示板35
┗分析AI
─────────────────────
まず討伐ポイントの激増である。
夜間の間にもタレットたちは順調に怪物を処理したらしく、この24時間での差分は実に150を超えているのだ。
…日に日に怪物が押し寄せてくる量が増えていることは間違いあるまい。
そして、昨日に苦労した
その証拠に、一昨日までの
…と、思っていたのだが。
実は、昨日の
それが今確認してみると6レベルになっているわけで、これではいきなり仮説に破綻が見られる。
…いやまあ、長々と前置きをしているが、実は思い返すとこの『射撃』スキルが発動したような感覚がした場面はあったのだ。
それは…昨晩に俺が新記録に挑戦している最中である。
え、『射撃』ってそういう…?
たしかによくよく考えてみると、いくら
しかも、昨晩の俺は生涯新記録である”4”超えてそのまま”5”という異次元に到達しているのだ…!
いくらストーブの熱にうっすら汗ばんだ
これじゃ全然話が進まないからね(反省)
それでいよいよ、我が最大の生命線にして最強戦力の『タレット』についてであるが、これがまた
俺は意識を
…脳裏に浮かんできた風景は、視界の中心に位置するタイプAタレットのアイアンサイト、そして視界下部を遮るタレット機関部、それ以外の部分は地上の風景そのものである。
そう、この『
これで微妙に使いづらかったカメラ越しの射撃が改善されたぞ! 実に素晴らしい! …のだが
…うーん、これで討伐ポイント交換タイムで意味を失った貯蔵物資の数々に続いて、手間暇かけて構築した地上監視システムまで陳腐化してしまったじゃないか…(複雑)
まあいい、気を取り直して『
俺は適当な木立に向けてタレットのアイアンサイトを合わせる。
タタタタタタタンッ!!
うおっ…!
久しぶりにタレットの射撃音を生で聴くと凄さまじい轟音だ。
こりゃあ、涙目になる
しかし射撃そのものは非常に良好で、俺の狙いのとおり木立の幹に5.56mm弾が集約着弾しているぞ。
ふむ、やはりカメラ越しの射撃に比べて遅延もなくて相当な精度向上が見込めるから、これまでよりストレス無く効率的なレベリングができるぞ。
…しかも、この『
今度は『タレット』スキルへの意識の向け方を変え、これまでとは異なる使い方を実践してみるぞ。
感覚としてはイケるはずだ…よし。
俺は『タレット』の新機軸を検証するために、さっそく新たに設置した一門に『
そして見えて来た景色は…今いる拠点の地上に立つ
そう、ここは本拠点からは離れた位置にある
以前にも軽く説明したと思うが拠点が存在するこの山はほぼ丸ごと俺の所有なので、本拠点以外にもアチコチにこうした構造物が点在している。
今新たにタレットを設置したのは本拠点とよく似た外観の
つまりここは本拠点を秘匿するための
なので太陽光発電設備は本拠点同様に備えられているし、さすがに地下水システムは連結していないものの雨水タンクにより最低限の生活用水を確保する備えもあるぞ。
とまあ長々と説明してきたが、今回はこの予備拠点の中身やら設備やらには大して意味はなく、タレットを設置できる構造物としての価値が重要なのだ。
俺は予備拠点屋上に設置したタレットを動かして、『
…いいぞ、これで俺は本拠点の地下シェルターの中、居室のソファーにくつろいだままでありながら山中各地への視界を確保できる。
安全の代償に外部との遮断を余儀なくされるプレッパー生活において、これがどれほど有益であることか。
しかも設置しているのは単に
いいぞ、いいぞ…!
俺が誰にも理解されないままに心血を注いできたアレコレが、『タレット』と噛み合いまくって…こりゃシンデレラフィットどころの騒ぎじゃない猛烈な快感が押し寄せてくる!!
ああ! 俺はプレッパーで良かった…(絶頂)
…などとプレッパー特有の謎興奮を発揮してしまったが、これのおかげで
そんなことよりも、次なるタレット設置である。
さっきは本拠点から見て北北西方向の山腹にある予備拠点だったので、今度は真西方向と…北東方向の予備拠点にもタレットを設置しよう。
なにしろ怪物どもは今日も北西方向から続々と湧き続けているからな。
その方面の予備拠点から重点的にタレットを配備していって、堅固な怪物迎撃網を構築するのだ。
そして、新たに設置したタレットたちにも『
俺は拠点の地下深くにいながらにして、いくつもの離れた位置の視界を同時に得ることができる…!
「大丈夫、
「ああ…なんとか、うっぷ…」
ソファーに寝かされて
…うーん、脳内にいくつもの
調子に乗って4箇所の拠点でいっぺんにタレットを操作し始めたあたりで、急に目が回ってぶっ倒れてしまったのである。
こりゃあ、ひとつひとつ操作するのが無難らしいな…
「無理しちゃダメだよ? 今日はお休みにしようね〜」
…まあ、そうだな。
焦っても仕方ないか。
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