フェニックスから提供された情報は、支配者たちが長年隠し続けてきた重大な不正の詳細だった。それは、国民から徴収された税金が、一部の権力者の私的な利益に使われていたことを示す証拠や、法律を都合よく操作して特定の企業や団体に利益を誘導していた実態を明らかにしていた。

この情報は、せりちゃんたちにとって最も強力な武器だった。しかし、その情報をどのように公開するかが大きな課題だった。直接的にすべてを暴露すれば、支配者たちからの反撃が予想される。それに加え、視聴者が情報を受け入れる準備が整っていなければ、逆に混乱を招く可能性もあった。

秘密基地での作戦会議で、せりちゃんと仲間たちは慎重に議論を進めた。影の住人が提案した。

「まずは、情報を小出しにして、支配者たちがどのように反応するかを見極めるべきだ。一気に全てを公開すると、彼らが情報を否定するキャンペーンを仕掛けてくるかもしれない。」

フェニックスもその意見に同意し、具体的な情報の一部を選んで配信で公開する計画が立てられた。その内容は、特定のプロジェクトにおける資金の不正流用に関するものだった。このプロジェクトは多くの国民が期待を寄せていたものであり、その裏で行われていた不正は視聴者たちの怒りを呼ぶことが予想された。

その夜、せりちゃんは緊張感を抱きながらも配信を始めた。画面に映る彼女のシルエットには、いつも以上の力強さが感じられた。

「皆さん、今日はとても重要な内容をお伝えします。この国で行われている不正の一端を、私はあなたたちと共有したいと思います。」

彼女は慎重に言葉を選びながら、不正の証拠となる資料を提示し、支配者たちがどのように国民の税金を私物化しているかを解説していった。その内容は具体的であり、視聴者が納得せざるを得ないものだった。

コメント欄には次々と驚きと怒りの声が流れた。

「これが本当なら許せない！」「私たちはずっと騙されてきたのか？」

せりちゃんは視聴者の反応を確認しながら、さらに言葉を続けた。

「皆さん、これはほんの一部です。支配者たちは私たちの信頼を裏切り、自分たちの利益のために私たちを利用しています。でも、私たちはもう気づきました。この真実を知った私たちには、彼らを許すことはできません。」

配信が終了すると、その内容はSNSで瞬く間に拡散され、国中で話題となった。人々の間では、支配者たちへの不信感が一層高まり、これまで運動に関心を持たなかった人々も関心を寄せ始めていた。

一方、支配者たちは動揺を隠せなかった。彼らはこの情報がどのように漏れたのかを調査し、急遽対策を講じようとした。フェニックスの存在に気づいた支配者たちは、政府内での内部監視を強化し、情報の流出経路を探り始めた。

しかし、せりちゃんたちはすでに次の計画に向けて動き始めていた。フェニックスから提供された情報の全貌を解析し、さらに多くの人々に真実を伝える準備が進められていた。

秘密基地で、せりちゃんは仲間たちに向けて静かに語った。

「私たちは彼らの嘘を暴き始めた。だけど、これからが本当の戦いよ。支配者たちは反撃に出るだろうけど、私たちの結束があれば負けることはない。」

仲間たちはその言葉に頷き、さらなる決意を胸に秘めた。

こうして、せりちゃんと仲間たちの戦いは次の段階へと進んでいった。支配者たちの偽りの支配を終わらせるため、彼らの声はさらに大きな波となり、国中に広がり始めていた。

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