第24話 揺れる民衆

せりちゃんの配信で暴かれた支配者たちの不正の証拠は、瞬く間に広がり、民衆の間で大きな波紋を呼んでいた。視聴者たちはSNSを通じて情報を共有し、「#真実を求めて」「#支配者を追及せよ」といったハッシュタグが急速に拡散していた。


しかし、その一方で、支配者たちはすぐさま対抗策を講じていた。彼らは一部のメディアを利用し、せりちゃんが提示した証拠を「捏造」とする情報を流し始めた。また、配信を見た人々の間に「この情報は本当に正しいのか?」という疑問を抱かせるようなデマを拡散した。


その結果、民衆の間には動揺が生まれ始めていた。真実を信じる者もいれば、支配者たちの情報操作に惑わされ、疑念を抱く者も増えていた。


秘密基地での会議


その夜、せりちゃんは秘密基地で影の住人や仲間たちと集まり、この状況をどう乗り越えるかについて議論していた。


「支配者たちの反応は予想していたけど、彼らの情報操作は想像以上に迅速だわ。」せりちゃんは深いため息をつきながら言った。「これでは、せっかく民衆に広まり始めた真実が揺らいでしまう。」


影の住人が画面越しに冷静に分析を伝える。「支配者たちは、情報の信憑性を疑わせることで時間を稼ぎ、私たちの運動を封じ込めようとしている。しかし、私たちにはまだ武器がある。それは次の証拠だ。」


影の住人とフェニックスは、支配者たちの不正のさらなる証拠を精査しており、それを公開するタイミングを見計らっていた。


配信での対抗策


次の夜、せりちゃんは配信を行い、視聴者たちに語りかけた。


「皆さん、私はこれまで真実を隠さず、あなたたちと共有してきました。ですが、今、支配者たちは私たちを分断するために必死になっています。彼らは私たちに疑念を抱かせ、真実を隠し続けようとしています。」


コメント欄には「信じています」「彼らに負けないで」といった声が流れる一方、「本当に証拠は正しいのか?」という疑問の声も混じっていた。


せりちゃんは続けた。


「疑問を抱くことは当然です。だからこそ、私はさらに多くの証拠をあなたたちと共有します。支配者たちの嘘を暴き、真実をあなたたち自身で判断できるようにするために。」


その瞬間、せりちゃんはフェニックスから提供された新たな証拠を公開した。それは、支配者たちが自分たちの権力を守るために行ってきた法律の改ざんや、特定の企業に対する優遇政策の裏側を示す具体的な書類だった。


「これが彼らの正体です。私たちを操り、私たちの生活を犠牲にして、彼ら自身の利益を守ってきた証拠です。」


民衆の反応


新たな証拠が公開されると、視聴者たちは再び活気づいた。「やはり彼らは嘘をついていたんだ!」「こんなことが許されるのか?」といった怒りのコメントが溢れ、支配者たちへの不満は再び高まった。


一方で、支配者たちの情報操作を疑問視する声も増え始めていた。多くの人々がせりちゃんの配信で公開された証拠を精査し、それを自分たちのネットワークで共有し始めたのだ。


その結果、支配者たちが流していたデマは次第に効果を失い、民衆の間には「彼らは隠そうとしている」という認識が広まりつつあった。


仲間との結束


配信後、せりちゃんは仲間たちと連絡を取り合い、民衆の反応を確認した。


「まだ戦いは終わらないわ。」せりちゃんは静かに言った。「でも、私たちの声が確実に届いているのを感じる。これを止めてはいけない。」


影の住人がうなずきながら答えた。「次のステップに進む準備を進めよう。支配者たちも追い詰められているはずだ。」


せりちゃんたちの戦いは続いていた。民衆の間に広がる希望の火は揺らぎながらも燃え続け、真実を求める声はさらに大きな波となって支配者たちに迫りつつあった。


「月夜の光を信じて…」せりちゃんは呟き、次の戦いへの決意を新たにした。

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