第22話 新たな仲間

支配者たちの策略を乗り越えたせりちゃんと仲間たちは、再び運動を拡大させるために力を合わせていた。地域リーダーたちの努力によって、住民の間では運動への理解と支持が広まりつつあった。その中で、新たな動きを見せる一人の人物が現れた。


ある日、せりちゃんの秘密基地に届いたメッセージが彼女の目を引いた。


「せりちゃん、初めまして。私は政府機関で働いていた者です。内部の不正を目の当たりにし、何もできない自分に耐えられなくなりました。あなたの活動に共感し、少しでも力になりたいと思っています。」


その文面には、差出人の本名や顔写真は一切記されていなかった。しかし、メッセージには具体的な情報が含まれており、それが事実であれば、支配者たちの不正の決定的な証拠となるものだった。


せりちゃんは、この人物が本物であるかを慎重に判断する必要があると考え、影の住人に協力を依頼した。影の住人は、その人物が送ってきた情報を分析し、真偽を調べることを引き受けた。


「もしこの情報が本当なら、私たちにとって大きな武器になる。」影の住人は冷静に言った。「でも、罠の可能性もある。慎重に進めよう。」


数日後、影の住人から連絡が届いた。


「せり、彼の情報はどうやら本物だ。彼が言う不正の証拠も、過去に噂されていた件と一致している。彼は信頼できるかもしれない。」


その報告を受け、せりちゃんはその人物に連絡を取り、協力を正式に申し出た。やり取りを続ける中で、その人物は「フェニックス」というコードネームを名乗り、匿名のまま活動を共にすることを約束した。


「私は政府内で目にしてきたすべての事実を共有する準備ができています。ただ、私の身元が露見すれば危険です。どうか慎重に進めてください。」


せりちゃんはフェニックスの決意に感謝し、彼を新たな仲間として迎え入れた。彼の情報は、支配者たちが隠し続けてきた重大な不正や、彼らがどのようにして権力を維持しているかを明らかにする鍵となり得るものだった。


その夜、せりちゃんは視聴者に向けて配信を行い、新たな動きについてほのめかした。


「皆さん、私たちの運動に新たな光が差し込んでいます。真実を暴くための新しい証拠が集まりつつあります。支配者たちが隠してきた闇に光を当てる日が近づいています。」


コメント欄には「応援しています」「ついに彼らの嘘が暴かれるのですね」といった声が溢れ、視聴者たちは新たな展開に期待を膨らませていた。


一方で、フェニックスの存在を知った支配者たちもその動きを察知し、内部からの裏切りを警戒し始めていた。彼らは政府内の監視を強化し、不正の証拠が外部に漏れないよう必死になっていた。


しかし、せりちゃんと仲間たちは着実に準備を進めていた。フェニックスの提供する情報をもとに、新たな配信計画が練られていった。次の配信では、支配者たちの嘘と不正の一端を明らかにする予定だった。


「私たちは前に進む。」せりちゃんは画面に映る仲間たちの顔を見ながら静かに呟いた。「彼らの支配が崩れる瞬間を、私たちの手で作り出そう。」


新たな仲間、フェニックスを迎え入れたせりちゃんたちの運動は、次第に決定的な局面へと向かっていく。支配者たちの偽りの支配に終止符を打つための戦いが、いよいよ本格化しようとしていた。

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