第17話 始まりの火種
「真実を語る場所」を作り、地域リーダーたちと直接顔を合わせることで結束が強まり、せりちゃんと仲間たちは新たな段階に進んでいた。この動きは、静かでありながらも、支配者たちの権力にとって見逃せない脅威となり始めていた。
その日、せりちゃんは次の配信の準備をしながら、仲間たちから寄せられた報告に目を通していた。各地で開かれた集まりの効果はすでに表れ始めていた。リーダーたちは地域住民たちに支配者たちの不正を少しずつ伝え、人々の間に疑問の火種を広げていたのだ。
影の住人からも、新しい情報がもたらされた。支配者たちが水面下で、民衆の声を抑え込むための新たな法律を成立させようとしているというものだった。この法律が成立すれば、せりちゃんたちの配信活動や「真実を語る場所」での集まりが厳しく取り締まられることになるだろう。
「これは見逃せないわ…」せりちゃんは静かに決意を固めた。「私たちの活動を止めるために、彼らは本気で動き出している。でも、私たちも負けない。」
その夜の配信では、せりちゃんは視聴者に向けて、支配者たちが画策する法律の概要を説明し、この動きがいかに不正義であり、民衆の声を封じ込めようとする意図があるかを訴えた。
「皆さん、この新しい法律は、私たち一人ひとりの声を抑え込もうとしています。彼らは私たちが真実を知り、行動を起こすことを恐れています。この法律が通れば、私たちの活動は今よりも厳しく制限されてしまうでしょう。」
コメント欄には「そんなことを許してはいけない」「私たちの声を守ろう」といったメッセージが次々に流れ、せりちゃんの言葉は視聴者たちに深く響いていた。
「私たちは彼らの圧力に屈しません。この運動は、私たちが未来を守るためのものです。どうか皆さん、それぞれの地域で声を上げ続けてください。彼らが作り出そうとする偽りの支配に対抗する力は、皆さんの中にあるのです。」
その日、配信の視聴者数は急増し、せりちゃんのメッセージは新たな視聴者層にも届いていた。コメント欄には「自分も行動を起こしたい」「この運動に加わりたい」という言葉が次々に並び、彼女の訴えは確実に共鳴の波を広げていた。
配信を終えた後、せりちゃんは仲間たちと再び集まり、次の行動について話し合った。支配者たちの新しい法律が成立しないよう、可能な限りの手段を尽くし、さらに多くの人々にこの危機を伝えていくことが決まった。
その一方で、支配者たちも新たな法律を成立させるために様々な圧力をかけ、せりちゃんたちの活動を封じ込めようと動いていた。民衆の声がどれほど強まっても、彼らの権力は固く、抵抗を無視しようとしていたのだ。
しかし、せりちゃんは決して諦めなかった。支配者たちがどれほど強大でも、自分たちの声を止めることはできないという信念が彼女を支えていた。そして、仲間たちと共に、さらに強い覚悟で前進していくことを誓った。
「私たちは一人ではない。この火種は、いずれ大きな炎となり、偽りの支配を焼き尽くすだろう。」
その言葉を胸に、せりちゃんと仲間たちは新たな戦いへと向かって歩み始めた。
おっさんとおばさんの支配下で抗うせりちゃんの話 星咲 紗和(ほしざき さわ) @bosanezaki92
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