第16話 真実を語る場所
せりちゃんと仲間たちの結束は、支配者たちの策略を乗り越え、より強固なものになっていた。互いの信頼が深まるにつれ、彼らの活動は少しずつ地域の人々にも認知され始め、支持者が増えていった。
そのような中、せりちゃんは新たなアイデアを思いついた。それは、「真実を語る場所」を作ることだった。各地の「地域リーダー」たちが集まれる物理的な場所を設け、直接顔を合わせて語り合うことで、さらに強い結束を築き、地域の人々にも真実を共有する場を作ろうという試みだ。
せりちゃんは、影の住人と相談し、まずは安全な場所で小規模な集まりを開催することに決めた。彼らは極秘に計画を練り、各地のリーダーたちに連絡を取り合い、集まりの準備を進めていった。
数週間後、ついに初めての「真実を語る集まり」が開催された。選ばれた場所は、周囲の目が届きにくい古い建物の一室。リーダーたちは、少しの緊張を抱えながらも、その場に足を運び、せりちゃんと直接会う機会を楽しみにしていた。
会場に集まったリーダーたちを前に、せりちゃんは初めてリアルな場で彼らに語りかけた。
「皆さん、ここまで来てくれてありがとうございます。私たちがこうして直接会えるのは、私にとってもとても心強いことです。私たちは画面越しでも結ばれていますが、実際に顔を合わせることで、互いの決意と信頼がより深まると思っています。」
リーダーたちはそれぞれ自己紹介をし、日々の活動の成果や苦労を語り合った。直接顔を合わせて話すことで、彼らの中にはさらに強い結束が生まれていた。
ある若いリーダーが語った。「日々、支配者たちの圧力に負けず、地域の人々に真実を伝えるのは簡単ではありません。時には孤独を感じることもあります。でも、こうして皆さんと会うことで、自分だけではないんだと実感しました。」
別のリーダーがうなずきながら続けた。「私も同じです。今日ここに来て、皆と顔を合わせることで、心に灯がともった気がします。私たちは一人ひとりが力を持っている。」
せりちゃんは、仲間たちの言葉に深く感銘を受けた。そして、彼らの思いを胸に、次なる目標について語り始めた。
「これから私たちは、この『真実を語る場所』をさらに広げていきましょう。各地で同じような集まりを設け、支配者たちが決して届かない場所で、私たちの真実を共有するんです。」
その言葉に、リーダーたちは力強くうなずいた。この集まりが、支配者たちに見えない場所での反抗の拠点となり、彼らの情報操作や偽りの支配を揺るがす存在になれると確信したのだ。
集まりの終わりに、せりちゃんは「月夜の光を信じて」という合言葉を改めて確認し、互いの信頼を再確認した。そして、リーダーたちはそれぞれの地域に戻り、そこで新たな集まりを作り、希望の火を灯していくことを約束した。
その夜、せりちゃんは秘密基地で一人、集まりのことを振り返りながら、胸に強い決意を抱いていた。彼女たちの真実が、支配者たちの嘘と偽りの体制を少しずつ壊していく力になると信じていた。
「私たちは、もっと強くなっている。彼らには止められない。」
せりちゃんと仲間たちの「真実を語る場所」は、彼らが求める自由と平等の光を照らし始め、これからさらに大きなうねりとなって支配者たちを揺るがすものとなるだろう。
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