第3話 最初の仲間

せりちゃんの配信が次第に注目を集め始める中、彼女のもとに一通のメッセージが届いた。それは、彼女と同じく現状に不満を抱く匿名の人物からだった。


「せりちゃん、あなたの言葉に心から共感しています。私は影の中からあなたの活動を支える準備ができています。あなたが必要なら、いつでも力になります。」


そのメッセージには署名もなく、ただ「影の住人」とだけ書かれていた。正体不明のメッセージに一瞬警戒したものの、せりちゃんは返信を返すことにした。もしかすると、この人物が信頼できる最初の仲間になるかもしれない。彼女には、そうした小さな希望があった。


「あなたの気持ちを嬉しく思います。もし本気で私と共に闘うつもりなら、まずは少しだけ、あなたの力を見せてほしい。」


せりちゃんがそう返信すると、影の住人からの返事はすぐに返ってきた。


「分かりました。私は情報に強いです。あなたが求めるもの、支配者たちの裏側に関するデータを手に入れられるかもしれません。私たちが立ち向かうための武器になるものを提供しましょう。」


それから数日が過ぎ、影の住人は早速行動を開始した。せりちゃんの手元に送られてきたのは、支配者たちが隠し続けてきた腐敗の証拠や、彼らが裏で操る情報の操作方法についての内部情報だった。


せりちゃんは、そのデータを一つひとつ慎重に確認しながら、深く考え込んだ。これをどう活用すれば、人々に真実を届けられるのか。そして、どうすれば支配者たちに気づかれずに伝えられるのか。


彼女は再び配信の準備をしながら、視聴者に向けて語りかけた。


「皆さん、今日は少しだけ、支配者たちが隠している事実についてお話しします。彼らは皆さんが知るべき真実を隠し、自分たちに都合の良い情報だけを流しています。私たちはその真実を暴き、彼らの偽りの姿を明らかにしていくつもりです。」


コメント欄には、「せりちゃん、信じています」「もっと知りたい!」という声が溢れていた。せりちゃんは、この瞬間が彼女と視聴者の間に信頼の絆を築く重要な一歩だと感じた。


影の住人からの情報は、せりちゃんの戦いに新たな力を与えた。彼女はただ一人ではなく、信頼できる仲間がいる。そのことが、彼女にさらなる勇気をもたらした。


この日から、せりちゃんは新たな仲間と共に支配者たちへの挑戦を本格化させていくのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る