第161話 掲示場で噂になります3
【41層】フェイテルリンクレジェンディア・オンライン総合【開放】
最先端アースノイド:41層開放されたな
最先端アースノイド:さっそくプレイヤーが乗り込んでる。俺も乗り込んでる
最先端アースノイド:うちのクランの奴が、41層で適当に亜光速航行しまくって迷子になって、MoB以外の謎の宇宙生物に襲われ脱出用の転送装置で帰ってきたわ。機体ロスト。
最先端アースノイド:宇宙で適当航行は、あれほどやめろと・・・
最先端アースノイド:40層のボス攻略に参加したやついる? 50層のボス攻略参加したいんだけど。ボス攻略はじめてだけど
最先端アースノイド:行った行った。第一形態で撃墜された。50層のボスが初体験は止めたほうが良い気がするぞ。40層より更に危険が予想されるとかヤバすぎ
最先端アースノイド:俺も行った。最後の強風までは粘ったんだけどな、あの中は飛べなかった
最先端アースノイド:お前最後まで粘ったのかよ、スゲェな。エースって呼んでやるよ。
最先端アースノイド:実際最後まで残った31人は、全員エースと呼んでいいよもう。俺が許す
エース:ありがとう
最先端アースノイド:早速名前がエースになってるwww
最先端アースノイド:つか最後の暴風の中、飛べた人間いるのかよ
最先端アースノイド:いるから41層が開放されたんだよwww
最先端アースノイド:上位勢しか残ってなかったよな
最先端アースノイド:スウあたりは人外だから人間の数に入らない。AIも疑ってたし。
最先端アースノイド:一応人間って言われてたじゃねーかwww
エース:スウのペイント弾の機転は、ナイスだった。詰むところだった
最先端アースノイド:今回、スウいなかったら攻略できてなかったよな? 第三形態があるなんて誰も知らなかったし、命理の真空回帰砲を準備してなかったら、また攻略失敗だった。
最先端アースノイド:てかボス倒したあとがヤバすぎ。何あのガキ、復活出来ないってなんだよ
最先端アースノイド:そうそうアレ大丈夫なんか?
エース:あれは怖かった。復活無しとか、チビッた
最先端アースノイド:チビんなエースw
最先端アースノイド:いやでもまあ、復活無しとか黒体貫く閃光とか、しゃーないわ
最先端アースノイド:アイリスって誰? 最後の人間とか言ってたけど
最先端アースノイド:命理ってNPPが助けたがってる、マザーMoBのコア
最先端アースノイド:え。マザーMoBのコアって人間なん?
最先端アースノイド:ゲームの設定エグイって
最先端アースノイド:つかさあ、もうゲームとは言えなくなってねーか
最先端アースノイド:いや、デスゲームではある
最先端アースノイド:俺もう戦闘したくないんだけど
最先端アースノイド:しかも次の層、多分やばい。帝国時代でも50層で詰んだらしい。
最先端アースノイド:え。じゃあ次は、ガチでクリア不能な可能性のある層なのか?
最先端アースノイド:そもそも50層ボスはレイドができないボスだって噂がある。帝国時代の情報によると、まず少人数でボスにたどり着かないといけない機構があるから到達できる人数が限られてしまって、少人数専用みたいな話が上がってる。
最先端アースノイド:危険に見合った報酬は手にはいるんだけど、そろそろ危なすぎて着いてけなくなってきた。
最先端アースノイド:もう戦い続けられるのは命知らずの荒くれ者か、猛者かって感じになってきたな。
最先端アースノイド:特に生身の戦闘が、転送装置無しだから怖すぎる。
最先端アースノイド:50層ボスは、生身専用だって噂もあるんだよなあ。
最先端アースノイド:いやいや、何その冗談。
最先端アースノイド:この状態で攻略続けてる奴ら、マジでスゲーよ。俺はもう無理、20層より下は怖くて行けない。マジな話、エース頑張ってくれ
エース:オレ、そろそろ機体を良いのに買い替えないとキツイんだよ。
最先端アースノイド:普通の人間は無理して深い層なんか行かなくていいよ、20層位までとかが程々に儲けられる限界。
まあ、上層とかなら問題ないかもだけど。
最先端アースノイド:配信者とかも殆どが中層辺りまでしか行かないし。
最先端アースノイド:まあ40層でも一桁が1、2、3の上層辺りはレジャー感覚で行けるだろうけど。
最先端アースノイド:上層、中層、一桁が1、2、3とか何?
最先端アースノイド:例えば31層の1の部分、この一桁の部分で敵の強さが変わってくるんだよ。数字が若いほど楽。0はボス層だから別。
最先端アースノイド:1、2、3の上層はアトラクション感覚でよし。4、5、6の中層はパンピーだとキツくなってくる。7、8、9の下層と、0のボス層はガチで危険、ここはエースたちに任せようぜ。
最先端アースノイド:猛者&上位勢と、一般プレイヤーはステータスとかスキルとかもだんだん格差出てきてるよなあ、最近
最先端アースノイド:追いつけなくなってきてる
エース:オレも
最先端アースノイド:エース、おい
最先端アースノイド:早いとこ上位勢に追いつかないと、差が埋められなくなるんじゃね・・・?
最先端アースノイド:てかこの前のクラン対抗PvPってさ、スウと戦う奴ら全員高速戦闘しだすんだけど、なんで?
最先端アースノイド:それしかスウの攻略方法がないんだよなあ。足止めて戦うなら、スウをまたたく間に墜せるAIMが無いと無理。でなきゃ直ぐ様距離離されて、正確無比な狙撃が来る。
最先端アースノイド:でも躱すんだぜアレ。躱せないような撃ち方しないと駄目なんだろ・・・? それが出来ないならドッグファイトに勝つしか無い。
最先端アースノイド:そしてスウはAIMもドッグファイトも化け物じみてる・・・と
最先端アースノイド:ムリゲーやん
◆◇Sight:三人称◇◆
卵の殻を被った少年が、かつてベクターの戦艦だったものの残骸の中で、アンティークチェアに腰掛けていた。
彼は肘置きに肘を突いて、銀河の中心に座する巨大な穴に話しかける。
「アイリス、君を救おうなんてバカが現れたよ」
少年は肘を突いたまま くつくつ と笑い肩を揺らした。
「どうせ、ここまで来れないのにさ。――特に次の層は突破不可能だ。星団帝国も、銀河連合の前身も抜けられなかったんだ。――50層はバーサスフレームの力を借りれない。なのに音速で飛ぶ相手や、バーサスフレームを超える戦闘力を持つ竜が居る。極めつけは、50層のボス、〝絶対強度〟のニュークリアパスタ・ゴーレムだ。これをどうやって抜ける」
暗く寒い真空で、少年が忍び笑いをする。
「さらにその後のボスも強敵だらけ。
60層、停止のアテナ。
70層、覚醒・ヴィーナス。
80層、タイラント・ケルベロス。
90層、ベクター。
――ここまではザコが少し強くなったようなボスばかりだったが、50層からは一筋縄ではいかないぞ。特に70層はレシプロ機くらいしか飛べないし、80層に至っては金属すら持ち込めない。科学の力でなんとかしているお前らが、どうやって抜けるつもりだ? ――さらに90層以降は、もはや戦争だ」
少年が再び忍び笑いを漏らしていると、彼の耳に通信が聴こえてきた。
『エクトロ、地球への座標固定はまだか』
「ボクをその名で呼ぶな。今のボクは、ハンプティ・ダンプティだ」
少年の横に、通信ウィンドウが開く。
現れたのは、貴族のような格好をした男性のデータノイドだった。
男は、少年が見ていた物を知り嘲笑するように嗤った。
『今度は、そのマザーMoBがお前の母親代わりか?』
少年が椅子を蹴って激昂する。
「黙れ!! ボクの母親をマザーMoBにしたお前たちを、ボクは絶対に赦さない」
貴族のような格好の男は、激昂する少年を睨む。
『我ら宇宙軍も、お前のした事を許しはしない。――こちらにマザーMoBアイリスを転送する手引をしたお前をな。――それよりさっさと地球に座標を固定しろ。さもなくばお前を抹殺せよと命令が来ている。不可避の終焉と、永遠の勝者が、いつでもそちらに行くぞ』
「1100年前星団帝国を震え上がらせたベクターのトップエース、不可避の終焉ルジェルナ。そして、無敗の指揮官――永遠の勝者アスラムか・・・・確かに奴らが送り込まれたら、MoBとボク等だけでは厳しいな。だが座標固定はまだ無理だ、少し時間がかかる」
少年は、はぐらかすように通信に返した。
『とにかく早くすることだ』
通信が切れる。
少年が椅子に座り直して、肘置きに肘を突いて、宇宙の穴を眺める。
「本当に来れるなら来てみろ、スウ。少し時間をくれてやる」
少年の声は、誰にも届かない。
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