第153話 遊びに行きます
最近、年末で更新時間がウロウロしてすみません。
このあと年末は、7時と、21時。
年始三日は、8時と、20時に更新しようと思っております。
その後は、7時と、21時。か、6時と22時か迷っております。
分は11分くらいに。
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というわけで、そんな惑星ユニレウスに、私達も早速降り立つことになった。
急ピッチで作られた基地兼町の仮拠点カリーン・ポリスの空中駐機場に、さくらくんがティンクルスターを接舷させる。
ちなみに基地兼町はまたたくまに出来上がった。
流石の超科学で、街が一夜で出来上がっていくのは壮大だった。
地球の人々には、これもちょっとしたイベントになった。
私が思い出していると、アリスがゲーム画面を操作して格ゲーを点けた。
サムライ・エッジ――侍たちが戦う格闘ゲームだ。
「次はこれで勝負です!」
「まあ・・・・いいけど」
私達が刀を振り回していると、リあンさんから「接舷したよー、降りるよー」というアナウンスが掛かった。
その後、港に降り立つ。
「お、おかしいです・・・どうして剣を使ったゲームなのに私が負け越すんですか?」
サムライ・エッジの結果は私が3勝、アリスが2勝だった。
「まあ・・・私、ゲームが得意だから・・・リアルで剣の戦いをしたら絶対アリスには勝てないし。バーサスフレームでも勝てないよ」
「それにしたって、初めてやるゲームだったんですよね!? わたしは結構やり込んでいるのに、操作も殆ど分かってなかった人に負けるのは流石に悔しいです! 1戦目なんて通常攻撃だけで負けたんですよ!」
リッカがやれやれと肩をすくめる。
「わたしがアリスに、バーサスフレームだと勝てないのと同じ現象」
アリスが「むう」と唸って沈黙した。
私はリッカも、FPSでやり込めちゃったんだけどね。
ちなみに命理ちゃんはゲームに参加していない。やるより視るのが好きらしい。
私達のプレイをみて、楽しそうに体を揺らしていた。
さて、私達がティンクルスターから降りて港の建物の前でしゃがんでリイムを撫でながら待っていると、コハクさん達もこっちにやって来た。
コハクさんは、私達を見つけて手を振る。
「おまたせですー!」
私はリイムを抱き上げながら、彼女に頭を下げて返す。
リイムが「なに?」みたいな顔で私を見上げながら、頬ずりしてくる。
「いえいえ、操舵を完全に任せてしまい」
「あはは、操舵していたのは殆どさくらくんですよ。あとオックスさんも途中ちょっとやってました。私達はブリッジでボーっとスマホ弄ってただけです」
リあンさんと、星ノ空さんも同意する。
「んだ」
「あたしなんか、ネイルしてたし」
「な、なるほど」
私は改めてさくらくんと、オックスさんに頭を下げる
「有難うございました」
「簡単な操舵ですから」
「ほとんどオートだから、車より楽だぞ」
と、メープルちゃんが〈時空倉庫の鍵〉からなにやら包を出してみんなに配りだす。
「私はお弁当を作ってました。みなさんどうぞ」
「おおお――! 女子中学生の作ったお弁当!?」
私が叫ぶと、リッカが若干引いた。
「スウ・・・・言い方・・・」
でも、可愛い女子中学生の手作り弁当だよ? 凄い価値じゃない?
まあ、自分の妹で喜ばれたら、ちょっと引くのは分かるけど。
だけど知らない女子中学生は怖いけど、知ってる女子中学生の手作り弁当は好きだ。
すると、こんな貴重品にたいしてリッカは文句を言い出す。
「スウはともかく。楓の料理は食べ飽きた」
「お姉ちゃんは料理できないもんね」
「切るのは得意だぞ」
「切るのだけはね」
メープルちゃんは笑いながら「コハクさん、リあンさん、空さん組」と「さくらくん、オックスさん組」に大きなお弁当を配る。
「ありがとうね」
「お、すまーん」
「ありがとメープル」
「どうもです」
「助かる」
メープルちゃんはみんなに快く受け取って貰えたのが嬉しいらしく、微笑んで続ける。
「一緒に行動する方たちで、行楽弁当にしてます」
実はこの惑星に来た目的が、みんなでちょいちょいズレている。
もちろんイベントを消化したいんだけど、まずはみんなやりたい事が有った。
というわけで部活とか仕事とか時間もないし、バラバラに探索しようという話になった。
え、私? FL以外にやること無いよ?
とは言え、目的や場所が重なっている人もいるんで、そういう人は一緒に行動する。
私とアリスとリッカとリイムは、一緒にフィールド探索。
命理ちゃんはこの惑星に詳しいらしく、早速遺跡で冒険したいらしいさくらくん、オックスさんを案内。
メープルちゃん、コハクさん、リあンさん、星ノ空さんは出来たての街の散策らしい。
そんな街に眼をやると、凄い数のプレイヤーが見える。
大通りとか、東京の人通りみたいになってる。
もう、何万人というプレイヤーが押しかけているんだとか。
空にも、沢山の飛行物体が行き来している。
しかし視線を遠くの丘の方へやれば朽ちた都市や、沢山の緑が見える。
遠くは森と古代遺跡な感じなのに、この辺りはパイロットスーツを着てる人がいたり上空もSFになっててミスマッチ。
そんな感想を抱いていると、空を飛んでいるプレイヤー達が我先にと地平の彼方へ飛んでいく。
この惑星の中にはメガロポリスのような巨大な都市も眠っているらしいんだよね。
つまりお宝満載の惑星。
FLのゴールドラッシュ到来、という訳かな。
しかも星団帝国の首都だったという事もあり、テラフォーミングは完璧。
地球よりも、人間が住むのに適してる穏やかな惑星なんだとか。
重力とか地球よりちょっと弱いんだけど、実は人間の体って地球よりもちょっとだけ重力が弱いほうが暮らしやすいらしい。不思議。
にしても、もう運営も旧人類が地球人だって隠さなくなってきたなあ。
まあ「ストーリーが進んで判明した」的な事らしいけど。
ただこの惑星は、流石41層と思うような強力なMoBも潜んで居るのでその点だけは運営からプレイヤーへ注意喚起された。
とはいえ50層のボスから非常に遠い場所というわけで、それほど危険はない。
それでも41層なので、ドミナント・オーガみたいなのもいるかも知れないから、プレイヤーは各々安全確認をしながら、古代都市の眠る未知の惑星でお宝探しをしている。
「じゃあ、ちょっと遺跡にいってくるぜ」
「行ってきます!」
オックスさんと、さくらくんが手をふると命理ちゃんが地平の彼方を指さしながら二人に言う。
「こっちよ。飛べる?」
「いや・・・」
「生身じゃ飛べません――スウさんたちみたいにスキルを一杯もってたりしないですし・・・」
「じゃあ掴まって」
今度みんなにも〖飛行〗あげよう。アレなら簡単に手に入るし、便利だし。
足からロケットエンジンを噴かして飛んでいく命理ちゃんと、青い顔してぶら下がるさくらくんと、気持ち良さそうに風を感じる表情なオックスさんの姿が消えた。
「じゃー、ウチらはショッピングだ~!」
リあンさんが勢いよく拳を上げるとコハクさん、空さん、メープルちゃんも拳を挙げて街に繰り出す。
「では、私達はフィールド探索と行きますかー!」
アリスが街の出口に向かうと、リッカはその後に着いていきながら、遠くで轟々と流れる滝を指さした。
「川遊び」
まてまてまて! ナイアガラみたいな滝が流れてるんだけど、あんな河に入ったら絶対流されるぞ!?
するとアリスが、遠くで雄々しく切り立つ山を指差す。
「あの山に行きましょうよ」
エベレストかよって感じなんだけど! あんなの登ったら高山病で倒れる自信しかない!!
なんでこの人達、発想が殺人的にアクティブなの!?
止めさせないと!
「いや、お花摘みとかさ・・・っ」
「え、トイレですか?」
「出かける前にしておかないと」
「あんたらの頭の中には、お花の
だれか女の人呼んで。
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