③
「遥か昔、デルム王国は混乱の渦中にあった。
魔族と人間との間に戦争が勃発。
圧倒的な力を持つ魔物により、人間の大量虐殺が行われ、デルム王国は滅びようとしていた。
そんな時、光の膜がデルム王国を覆った。
まるで守るように。
突如として現れた光の膜は、一人の女性によって張られたものだった━後に聖女と呼ばれる女性によって。
態勢は一気に逆転した。
光の魔力は魔物達を弱らせる効果もあった。
残っていた戦える戦士達により、魔物を押し返すことに成功
突如覚醒した女性は平民だった。
功績を讃えて、
最後の時まで共に闘い抜いた騎士と結婚が認められて、侯爵家に迎え入れられた。
数多くの犠牲者を出した戦争だったが、その後不戦条約が結ばれることになる。
魔族が不戦条約を破棄しないように、
聖女の儀式を100年ごとに行う必要があった。
聖女の血は光の魔力を含んでいる。神殿の魔道具を介して魔族達の世界へと魔力を注ぐことができる。
光の魔力を与えることで、魔族の悪しき心が薄れていく。
その為、聖女の末裔である侯爵家では、何よりも子供を産み血筋を絶やすことがないように努めるのが必至である。
~デルム王国史第十三巻第一章~」
リィーンは、バタンと本を閉じて本棚に戻す
そうだった。隠しキャラを解放するには、聖女の末裔である、行方不明になった侯爵家の女性を探し出すことが必須だった。
でもどうしても見つけ出せなかったんだよね……
確か、儀式を行う予定の侯爵夫人(夫人は婿養子をとっている)が病に倒れたことが発端
夫人の子供達は男の子で、女の子を催促される日々に精神的疲労も限界を超えていたのだ。
夫人以外は高齢の女性ばかりで、身体的負担が危惧されていた。
そんな時に、実は行方不明となったもう一人の娘がいると、先代侯爵夫人が重い口を開いたのだ。
侯爵夫人の幼い頃に、歳の離れた姉は行方不明となっていた
全員の好感度を均等にあげつつ、共通ルートから分岐する前に見つけないといけなかったから。
どうしても誰かのルートに入ってしまうし、入らなくても情報を集めるのが難しくて諦めたんだった
まぁ、なんにせよマリア嬢がレオナルドルートに入っている今、そもそも他の攻略対象い会う機会なんてないか
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます