②
部屋に戻ると、リィーンはゲームの内容を振り返ることにした。
現在ヒロインのマリアは、ここデルム王国の第一王子レオナルドと婚約している。
つまりレオナルドルートのendを迎えようとしている。
ゲーム「キミのために」の攻略対象は全部で四人
第一王子のレオナルド、最年少で魔術師団長になった伯爵家のシリル、
騎士団の侯爵家の次男のトール、それと隠しキャラの……
誰だったかなぁ、思い出せない
けれど、人間ではなかったような……
魔族だったような気がする
隠しキャラは縛りがあって解放できていなったんだよね
ちょっと待って! ここって人間以外も存在する世界だった
私、こんな所にいて大丈夫なのかな……
確か、大きな戦争のエピソードなどはなかったはず
王道のレオナルドルートに進んでいるから大丈夫
特に誰が推しとかではなくて、それぞれ好きだったなぁ
あまりにも現実では恋愛に縁のない喪女だったので、仮想世界で擬似体験できるのが幸せだった
まぁ、せっかくゲームの中にいるものの、断罪も終わっている時なので、ゲームのスチルをリアルに見る機会はなさそうだ
リィーンは回想を中断すると、部屋の中を物色する
もしかしたら、身元がわかる母の持ち物や、日記のようなものがないかと淡い期待をしながら
「これは?」
リィーンは本棚の分厚い本が気になり、取り出す
埃を軽く払うと、ページをパラパラとめくってみる
文字がびっしりと書かれていて、子供の読む本ではなさそうだ
不思議なことに文字は難なく読むことが出来る
教わった記憶はないので、転生の際にこの世界の文字が読めるような力を授かったのかもしれない
なんとなく気になったページの内容を、リィーンは声に出して読み始める
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