第59話 移民計画!

「話を聞く前に悪いのだが、名前をうかがってもいいかな?」


 カインドは優し気に微笑ほほえみそういう。

 いや、優しぎますってカインドさん。

 もう、そんなに優しかったら。国民からもさぞかし人気のことでしょう。


 きゃー。かっこいい!みんなのあこがれ!流石国王!

 器も大きい!


 いや、ほんといいとこどり過ぎますって。


 俺が内心褒めちぎっていると、もちろん俺の言葉はルナには届いていなく、ルナは自己紹介を始める。


「私は「ルナ=シャーロット」一応サルジニルグの国王的存在……いわゆる魔王ってやつをやってます。」


 ルナが魔王だということを明かす。

 えっ?言っちゃっていいの?それ?

 殺されたりしない?……しないか、国王こんなに優しそうだもんね。


 それにしても、ルナの案ってなんだろう?


「ルナさんか。悪いね。それで、案というのは?」


「そうですね。あなたの国は、地震の影響を恐れている。そして私の国には、地震の影響はない。あったしてもごくわずかです。。そして、私は人。人材でも、国民でも、とりあえず人を欲しているんです。つまるところ、私の国にオリエンルの民を移民させてはくれないでしょうか?」


 わー魅力的。

 ってなるか!魔王の国に進んで移民したいなんていう、変わったやつがいるのか?


 俺は「これから地震があるけど、魔王の国に避難しますかって言われたら」絶対非難する。だって、命大事だもんね。


 俺、ドラクエドラゴンリクエストでも「ガンガンいこうぜ」は使わずいつも「いのちだいじに」ばっか使ってたぞ。


 何なら、いのちだいじにしすぎて、誰も敵に高下せずに逃げるっていう平和な世界を作ってたぞ。


 まあ、でもそんなことしてたらレベル全然上がらないし、結局倒すようになって、最終的には、血で血を洗う。戦いが戦いを、争いが争いを呼ぶような事態にしたんだけどな。


 まあ、これが普通のドラクエドラゴンリクエストってもんだよな。


 あってる?

 俺ドラクエ8ドラゴンリクエスト8敵が強くて途中でやめたからな……。

 やった感出したかっただけだったんだ。


 許してくれ!


 ……いったいなんでこんなことを俺は言っているのだろうか。

 しかも、内心だし。


 まあ、でも、人間は思考を繰り返すことで発展してきた種族だからね。


 考えることは大事!


 と、どうでもいいことを考えていると、時の流れは速いのか、悩んでいたカインドが答えを出したようだ。


「わかった。あなたは私の息子を保護してくれたという恩もある。承諾しよう。」


 すげぇ~。こんなに優しくて、義理堅いのかよ……。

 俺はもう絶句してしまった。


 テレビCMの「え!?そんなに安くていいんですか!?」並みに「え!?そんなに優しくていいんですか!?」状態に陥っている。


 まじで、そんなに人に優しくして疲れないのかしら……。

 と、あたし心配だわ……。


 と、後方母親面で鎮座する。


 いや、母親も何も、カインドさん俺よりも明らかに年上だし、鎮座してないし、立ってるし、あーもうめちゃくちゃだよ……。


 もう、俺の思考に俺が付いていけない。

 とかいう、哲学で発表したら、軽くノーベル賞取れるんじゃないの?パラドックスに陥ってる。


 あ。取れないですか。そうですよね。そんな意味わかんない論文出しても、誰も納得しないし、「何言ってんだこいつ」ってなるだけですもんね。


「では!」


 と、ルナが期待に満ちた目で、カインドを見つめる。


 これで、俺の作業の負担が減るもんよ!


 やったね。


 ちなみにこの文字は、俺との親密度を上げていないと出ない、特殊な文字だ。

 まあ、俺ぐらいのポケモントレーナーになれば、全ポケモンポケッツモンスターがLv.100だ。


 ポケッツモンスター。縮めてポケモン。


 目と目があったら勝負だ。

 まあ、俺は目が合うどころか、話かけられても、ポケモンバトルしないがな。


 ポケモン交換は、友達がいなかったので、ポケモン交換で進化するポケモンは残念ながら、手に入れれてない。


 なので、俺のポケモン図鑑は5匹分程度、空白がある。


 今の世代はうらやましい。

 なんだよミラクル交換って。ぼっちにも優しい親切設計すぎるだろ。


 ということで、オリエンルからサルジニルグへの移民が決定しました!


 これで俺の(心の中での)発狂も減る。

 嬉しい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る