第57話 王に謁見

 はい、ということで着いてしまいました。

 どこか。と、問われたら、答えなくても大丈夫!言わずもがなオリエンルです。


 えー。

 なんと俺、一国の王に直々に呼び出されちゃった☆


 ☆じゃねえんだよ。☆じゃ!


 くそう。俺が何やったっていうんだよ……。

 いや、やったね。いろいろとね。


 なに?もしかしなくとも、処刑されたりする?それは嫌なんだが……。


 俺、死にたくないよう。


 もし、俺が処刑されたら「俺の分まで、お前たちは生きてくれ!」っていいたい。


 なんてのんきなこと考えてる場合じゃない。


 王城に近づくにつれ、俺に足はどんどんと重くなる。


 もう城の目前。


 ここまでくると、俺の足の重量が限界突破して1000kgになっていた(体感)


 The門番みたいな鎧を着た門番に、国王直筆の手紙を渡し、入城する。


 いやだ~。いくたくない~。


 ちなみに城には、ルナ、ベーゼル、クレイト、メイさん全員が俺の付き添いみたいな感じで着てきてくれている。


 あったけぇ。あったけぇ。

 人の温かさが身に染みるぜっ!


 えー。ね。

 幾らごねてても、足を動かせば目的地には着く。


 いつの間にか、謁見の間の扉の真ん前まで来ていた。


 俺は、重すぎる謁見の間の扉を開ける。


 普段だったら簡単に開けられるだろう、謁見の間の扉だが、俺の行きたくないパワーによって、すごく重くなっている。


 扉が「ギィィィィ……」という音を立てる。

 でも、扉は開いちゃうんだよなぁ。


 すると王は、俺が来たこの気づいたのか、目線を俺の方へと向ける。


「入れ。」


 そう言う王は、王の威厳充分。

 威圧的な態度で、そういう。


 そして、王はなんか執事らしき人に、耳打ちしている。

 すると、大臣みたいな人たちが、一斉に謁見の間を出て行った。


 え?何が始まるの?


「さっきは悪かったね。クロスくん。」


 王は、優し気な口調でそういう。

 え?どうした?全然さっきと態度が違うんだけど……。


「家臣の前では多少胸は張らないといけないからさ。不快な思いをさせていたら申し訳ない。」


 いや、もうぜんぜん。まったくですよ。はい。

 

 もう本当に「王なのはわかってるんだけどさぁ……。ちょっと高圧的すぎない?」とか「本当に怖い。俺処刑されるのかな?」とか全く思ってないです。はい。

 

 まあ、あの、心当たりとか全くないですけどとりあえず謝っておきますね。すみません。


「それで、本題なんだが……。」


 処刑?


 俺、処刑されるのか?


 いや待て、落ち着くんだ。

 まだ、俺が処刑されると決まったわけでもないし、王様もそんなこと言っていない。


 こんなに、優しそうな王様だ。


 大丈夫だ。

 ……大丈夫なはず。


 大丈夫……だよな?


「君たちには、礼を言いたい。」


 よっしゃー!処刑コース回避!

 よかった。よかった。


 っていうか、礼ってなんだろう?

 なんなら俺、あなたの息子、直接的ではないにしろ、殺しちゃってるんですけど。


 大丈夫かなぁ……。

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