第40話 再び!盗賊との戦闘
クロスとクレイトくんはもう行った。
「え?魔王さんのおでましかい?横の二人も強そうだな」
ストロンはそういいつつ笑う。
なかなか余裕があるようだ。
「……なんかあのメイド見覚えがあるんすけど……」
ルックが不安げに言う。
見覚え……まあ、彼らはバルメントにクレイトを連れ去るように言われているはずなのだ。見覚えがある可能性は充分にある。
すると、少し奥からバルメントが出てくる。
「メイ!まさかここに来てまでも僕の邪魔をするのか!」
バルメントは目の前に立ちはだかるメイちゃんをみて何か察したのだろう。
「当り前じゃないですか。私はクレイト様についているんです。なら、敵対しているあなたと戦うのは道理が行くでしょう?」
メイちゃんが冷静にそういう。
私もそうだと思う。
間接的に敵対しているのなら直接敵対しても、なんらおかしい話ではない。
「……っ!ぐぅ……」
バルメントが悔しそうにうめき声をあげる。
メイちゃんが強いから、敵対されるのが嫌。とかかな?
「もう茶番はいいか?『
ベーゼルが暗黒の閃光を放つ。
内容は、目眩ましと、異常状態付与だった。……はず。
ベーゼルの魔力は黒魔力だったよね。
クレイトくんの話だとバルメントは闇魔力なんだよね。
で、話を聞く限り、ルックは白魔力。
ストロンは……。わからない。
いったい、何魔力なんだろうか。
まあでも、「リヴィングジンクス キル」なんていう殺傷系の魔法を使っているあたり、黒魔力なんだろうと思うけど。
まあ、いいや。
どうせ、後でわかるだろうし。
考えても、無駄だな。無駄。
無駄無駄無駄無駄ぁ!……クロスがそんなことを言っていたけど、何が無駄だったんだろう。
「そうですね。ベーゼル様。茶番は終わりにしましょう」
メイちゃんが鋭くそういう。鋭くて、まるで刃物みたい。
特に目つきが!
もう人を殺す決意をした人のそれだもん。
「様はよせ。我と主は主従関係ではなかろう」
「そうですか。ならば、なんとお呼びすれば?」
「なんでも。文句を言っておいてなんだが、様呼びじゃなければなんでもよいぞ。」
「そうですか。じゃあ「殿」で」
「!?……っむ。むぅ……。あんまり変わってない気がするのだが……。しかも我、殿でも何でもないのだが……」
「まあ、いいでしょう。行きますよベーゼル殿」
「うーん。なんだかしっくりこないのぅ。まあ、よいか」
「ルナさん!魔法生成だけお願いします!わたしが
魔法生成だけ?
……まあ楽でいいけど。
「む?我も「さん」でよくないか?なぜ我だけ殿……」
まだ、ベーゼルが何か言ってる。
別にいいじゃん「殿」かっこいいじゃん!
「さん」よりもよっぽどいいと思うけどな……。
何が気に食わないんだろう。
それはそうと、魔法生成!
「
「ありがとうございます!ルナさん!『
黒い炎はバルメントのもとへと飛んでいき―――――まるで、
消えた!?
なに!?あの消え方。
少なくとも、保護結界でもないし、無効計系の付加魔法でもない。
それに私の生成した魔法は攻撃力は微力ながらも、魔法無効耐性がついているから、そう簡単には消えないはず……。
なんで!?
まるで、見えない誰かが吹き消したみたい……。
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