第39話 戦闘の邪魔者
戦闘の邪魔者になってしまう俺とクレイトは見晴らしの良い小高い丘に登っていた。
ここからなら、敵の位置が分かりやすいし、もしこっちに来てもすぐに逃げれる。
という絶好の隠れスポット(飛び道具には弱い模様)を見つけた。
「なにを喜んでいるんだ。飛び道具で狙われたらどうしようもないじゃないか。もっと考えて移動しろ」
と、クレイトが厳しい意見を投げかける。
飛び道具に弱いか……。確かにな。
移動するかぁ……。
じゃあどこがいいのだろう。
そんな飛び道具にも、剣にも、魔法にも対応できるような完璧な立地の場所なんてあるのか?
ないな、ここは多少諸刃の剣でも、移動しない方がいいんじゃないかと、クレイトにいったが、「諸刃すぎる」と、ばっさり切り捨てられ、結局移動することになった。
いいところだと思ったんだけどなぁ……。残念。
次はクレイトの意思で移動場所を決めてもらうか。
クレイトが選んだ場所はいわゆる「森」だった。
大災害が起こってまだ30年?とかなのに、木ってこんなに成長するものなんだなと思う。
100人に聞いたら100人が森と答えるぐらいには森だ。
ここだと、飛び道具や、敵の攻撃から逃れやすいらしい。
え~?ほんとに?
俺の方がよくないか?
……違いますか、そうですか。
とりあえず、個々なら一安心。
敵が襲って来ても大丈夫。
というか、俺よりもクレイトの方が頼りになるかもしれない。
まあ、違うよね、そんなことないよね。
俺がちょっと的外れな行動と言動があるってだけだもんね。
っていうか、おれ戦闘員みたいな感じだしね。
比べる土俵が違うよね。
決して、俺がクレイトと比べて劣っているとかそういうわけじゃないよね。
そうだよね?
そうということにしておこう。
じゃないと、俺がどうにかなってしまう。
なんなら、ネットニュースに「社会人。中学生に敗北」とか書かれるよ?
いや、書かれないかそんなどうでもいいこと。
需要がまったくないね。
そんなどうでもいいことは、さておき。
ルナたちは大丈夫なのだろうか。
敵の数は10000人とか言っていたよな。
本当に彼女らは無事に帰ってこれるのだろうか。
10000人を相手に彼女らはまともにやりあえるのだろうか。
もしかしたら、負けてしまうのではないか。
そんなことを考えても仕方ないとわかっているのに、考えてしまう。
せめて、彼女らが無事でいるように。
それだけが俺の願いだ。
安全地帯の中から願うのどうかと思うが、それでも、彼女らの無事を願わずにはいられない俺だった。
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