第41話 謎の魔力体
魔力を物体として見れるベーゼルなら、この謎がわかるかも!
「ベーゼル!バルメントの上に魔力体がないか見てみて!」
「む?バルメントとはいったい誰のことだ?」
ああ、そういえばベーゼルは知らないか。
えーっと。
バルメントの特徴……バルメントの特徴……。
「真ん中の高そうな服を着ている人!」
「なるほど。わかった。あやつじゃな!『
ベーゼルは魔法を発動させる。
もっとも、認識系の魔法は第三者には発動されているかすら、わかんないんだけどね。
「む?なんじゃあれは!人型の魔力体……どこかで見たことが……」
ビンゴ!
「人型の魔力体……やっぱり!」
「なにかわかったんですか?ルナさん」
やっぱり、メイちゃんはなにもわかっていない様子だ。
まあ、ベーゼルも、
「うん。わかったよ。そしてこれで確信した」
「確信?なにに?」
メイちゃんはわからなさそうにそういう。
「クレイトくんの仮説は正しかった。ってこと」
「!?それってつまり……」
メイちゃんが驚いたように言う。
驚きで顔、すごいことになってるよ。
すると、なぜかベーゼルが手を叩き。
「思い出したぞ!あの魔力体、禍々しい魔力。間違いない!悪魔だ!」
ベーゼルが大声でそういう。
そんなに思い出せなくて、モヤモヤしてたのかな。
まあいいや。いったん話を戻そう。
「そう。悪魔。バルメントは悪魔と契約している」
「そんな……まさか……!クレイト様の話を聞いた時も思いましたが、どうやって……」
そう!そこ!
問題はどうやって契約したのか。
「なんだ?主ら分からんのか。なら、我が説明しよう」
さっすが!ベーゼル!頼りになる!
「説明するぞ。まず、大前提として、他の生物より人間が圧倒的に悪魔との契約がしやすい。なぜならば、悪魔を唆す「憎しみ」「嫉妬」「怒り」などの悪感情を大量に抱えており、悪魔との契約の内容を理解する知能が
だから悪魔と契約する人間が多いのか。
「それに加えて、悪魔は地獄から自分の着ぐるみを作り、悪感情を持つ人間のもとへと
へぇ~。
悪感情で顕現するんだ。
ランタンの光に虫が誘われ、やってくるのと似ているなあ。
「そして、バルメントが契約した悪魔。それは魔王の魔法を一瞬にしてかき消すぐらいの力がある悪魔だ。いわゆる大悪魔と呼ばれる十万年以上は生きている奴らだ。そんなやつがバルメントのところに来るということは、バルメントは、莫大な悪感情の持ち主なのかもしれない」
十万年!?
私の5倍は生きてる!?
「まあ、要約するとだ。バルメントは大悪魔を誘うほどの莫大な悪感情の持ち主だったということだ」
メイちゃんはベーゼルの説明になにか違和感を覚えているようだった。
―――――でも
「何をごちゃごちゃ話しているんだ!『我が契約主よ我が命と肉体を
「メイちゃんごめん!相手は闇魔力。白魔力のメイちゃんのほうが相性がいい。」
「む!?闇魔力?メイ殿バルメントの継承魔力は?」
ベーゼルが「闇魔力」と単語に反応する。
「え?白魔力です」
メイちゃんは戸惑いつつもそう答える。
「やはりそうか。継承魔力が闇魔力なんてこと、あるわけないからのう……」
ベーゼルは達観したようにそういう。
「どういうことですか!?」
メイさんはそう聞く。
私にも、ベーゼルが何を言いたいのか分からない。
「……。わからんか。バルメントといったな。あやつ、もうじき死ぬぞ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます