第36話 精神不安定!
俺の精神安定休憩は終わりを迎え、またせっせと働く。
これが社会の悲しい構図。
いや違うか、違うな。うん。
今まで通り、木にくぼみを開けては接合し、くぼみを開けては接合という単純作業を繰り返し続ける。
成功確率は十分の一。
それだけなら、たいしたことないと思うかもしれないが、これがとんでもないぐらいの集中力と精神力を削り、俺を発狂へと追いやった。
本当に仕事ってつらい。
と、単純作業と休憩を繰り返すこと、はや数時間。
徐々に日が傾いてきた。
仕事、終わったー!
俺が達成感に浸っていると、ルナがやってくる。
「帰るか」
「うん」
俺たちは魔王城(一軒家)に戻る。
城なのか家なのかはっきりしろよって感じだよな。
名付けたの俺だけど。
いつかは本当に城、造りたいなぁ……。
というか、自分で名付けておいてなんだけど、一軒家なのに魔王城って
ちなみに、少し多めの一軒家なので、ここで俺、ルナ、クレイト、メイさん、ベーゼルと一緒に住んでいる。
異性と一つ屋根の下なので、もちろん……。
何も起こらない。
みんな貞操わきまえてるもんね。
なんなら、社員寮みたいな感じ。仕事に疲れすぎて、誰も一言も発しない地獄みたいな空間。
一度だけ社員寮の掃除(無給)を無理やり任されて、社員寮に行ったが、すごい地獄だった。
いやー。
阿鼻叫喚とかじゃなくても、地獄みたいって思うことあるんだと、その時思いました。
あれが本当のこの世の地獄ってね。
あん時の空気に比べれば、ここはいい職場だ。
……金貰ってないがな。
まあでも、ここ何も売ってないし、金貰ったところでって話だがな。
隣の国も遠いし、別に物欲があるわけじゃない。
社畜時代も給料は
もちろん外に食べに行かすと誰かが労基に駆け込む可能性があるので、もちろんウーバーだ。
まあみんな飯以外に金使ってなかったから飯はウーバーでも金銭的に問題はなかった。
あとは、余ったお金を親に送るぐらい。
本当に金の使い道がない。
ちなみに俺はスマホを持っていたので、労基に通報したが、会社の厳重なセキュリティシステムにより、労基の人間は一人も通さなかった。
なんなら労基の人間に
そして、誰が通報したのか。となるのは必然で会議が開かれた。
……が、結局誰かはわからず助かった。
俺の社畜時代、散々だな。
なんて思いながら、水を浴びて、布団に潜り込んだ。
すると徐々に睡魔が俺の意識を奪っていき、気づけば朝になる。
そんな日が続いていく。
明日もあるだろう木材加工に、億劫な気持ちになるが仕方ない。
俺が引き受けた仕事だ。
最後までやり遂げる。
そう決意し、俺は目を閉じた。
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