第五章 追手と悪魔と代償と

第37話 追手の侵入!

 木材加工を始めてはや二日。


 なんと!もう骨組みが完成した。

 早いのかもしれないが、精神的にはかなりキてる。

 

 始めはショックを受けていたが、意外と有能な能力だ。


 でも、やっぱり使用すると、ものすんごく疲れる。

 たぶん転移テレポートを使った時のルナもこんな感じなんだろう。


 できれば使いたくないよなぁ……。


 今になってわかるその気持ち。

 ちょっと前までは「使ってくれたっていいのに~」みたいな感じだったが。


 でもね、ルナさん。

 いくら使うの大変だからって、俺に500km歩かせようとしたときはびっくりしたよ。


 流石にそんな距離になってくると、歩かないよ?俺。

 そういうときは、おとなしく転移テレポート使ってください……。



 ちなみに、成功確率は相変わらずだ。


 どうしてだよぉぉ……!


 いくらやっても上達しない。

 ……これが限界なのかもなぁ……。


 いや、ほんとに単純作業きつい……とか考えていると、緊迫したルナの声が響く。


「侵入者!私の探知結界に反応があった!人数は10000人程度。前にいるのがストロン、ルック、バルメントの三人後ろの2000人は王家武力戦闘隊だと思う、ほかの8000は……盗賊?いや、さっきの戦いであらかた無力化したはず……だいぶ濃度の濃い昏倒魔法を使ったし……」


とかなんだか、ぶつぶついっている。

まあ、ルナから闘いの詳細は聞いているので、盗賊じゃないんだろうなぁ……というのはわかる。


じゃあほかの8000人はどこの人なんだろう。


「わかった!あの紋章間違いない!」


 えぇ……。

 侵入者ぁ?というか、バルメントはもちろんなんだが、ストロンとルックって名前どっかで聞いたことあるんだよなぁ……。


 なんだっけ?……。

 こうやって、出かけてるけど思い出せないってもやもやするなぁ……。


 その時、俺に電流走る。


 あ~思い出した!あれだ!俺がベーゼルと会いに行ってるときに来たっていう盗賊だ!


 いやーすっきりすっきり。


 と侵入者といっても、こっちには魔王いるし邪神いるからな。

 負けることはほぼないだろう。


 もう、いかにも強そうな肩書持った人がたくさんいるもん。


 でも、ここには俺が頑張って作った骨組みがある。

 戦闘で壊してほしくないところ。


「なあ、ルナ」


「……?なに?」


「この、俺が頑張って作った骨組み、戦闘で壊してほしくないんだけど……」


 俺がそう言うとルナは「まあ、妥当なお願いだね。」といい、俺の願いを承諾してくれた。


 やっさしぃ!

 ルナさんマジいい魔王!


 ということで、ベーゼルの転移テレポートで、敵の近くに行くことにしてもらった。


 なぜ、ベーゼルかというと、単純に現在の魔力量はベーゼルのほうが多いというだけだ。


「『転移テレポート』――――!」


 俺たちの体は淡い白い光に包まれ、地面には紫色の魔法陣のようなものが浮かび上がる。


 その刹那、目の前の景色はだだっぴろい真っ緑の草原から、多くの木が立ち並ぶ森林に移動していた。


 しばらくあたりを見渡すと、話通りのでかい屈強なハゲがいた。

 すげぇ目立つな。


 ていうか、強そう。

 俺じゃ相手にならなさそう。


 どのぐらい相手ならなさそうかというと、電車の揺れで軽く肩がぶつかっただけで万札を渡してしましそうなぐらいには、相手にならなさそうだ。


というか、王家武力戦闘隊の人、強そうだよなぁ。

なんか、いかにもな鎧つけてるし。


それより後ろの人は、軍服みたいなのを着ている。

ああいう軍服ってかたい素材とかで出来ているみたいな話を聞いたことがある。

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