第35話 木材加工は難しい
ルナに釘使って、と言ってみたはいいものの「無理」だそうだ。
なんでも、この国には本当に金属という金属がないらしい。
なので「頑張って」と言われた。
ふざけんなよ……。
いや、まじで「頑張って」ってなんだよ。俺の会社の上司かよ……。
自分の仕事を部下の俺に押し付けんなよぉ……。
うだうだ言ったってしょうがねぇ。頑張るかぁ……。
と、俺は社畜時代同様の気合を入れると、早速作業に取り掛かる。
マジでやりたくねぇ……。
気合を入れても、俺のうだうだは止まらない。
いやでも、やるしかないからね。
文句言ってもしょうがないね。
やるかぁ……。
えーと。くぼみをイメージして……。
「『
で、別の成功した木材と接合……。
「コッ」木と木がはまるような音ではなく、落ちてぶつかるような音がする。
失敗だ。
「クッソがぁぁぁぁ!!!!」
この時の俺の精神はだいぶ摩耗していて、余裕がなかった。
何回やっても上達どころか、失敗のほうが多くなる。
しかも、100回中10回程度しか成功しない。
それに、木材が有り余ってんのか知らないが、俺がどれだけ失敗しても沸き続けてくる。
とりあえず、木材加工の難しさに俺が精神が限界を迎えたので、ルナに精神安定の時間を貰った。
休ませてくれるだけまだホワイトだよな……。
とか考えてしまう俺は、もう駄目なのだろうか。
……駄目なんだろうな。
もう普通がわかんないや。
まあ、ブラック企業一筋だったしね。
他の企業のことなんて、知るわけないね。
一時期、流石におかしいと思い、親に相談し「それはおかしい」と言われ、俺の勤めている企業がどれだけおかしいのか、とくとくと説かれた。
それで、辞表を提出しようとしたのだが、なぜか無視され、もう諦めて上司の机の上に置いてたら、いつの間にかシュレッダーにかけられてたしな。
もうわけわかんないよ……。
ちなみに、なぜ普通なら入社時に回収されるスマホを持っているのか。
俺は、社用に必要用になるかと思って、入社時には二台スマホを持って行っていたのだ。
なので、代表の挨拶の後スマホ回収が行われたのだが、その当時だいぶやりこんだスマホゲーがあって、どうしても私用のスマホを渡したくなかったので、社用のスマホを渡したら、何とか通過できた。
後に聞いた話だが、普通は金属検査も行われるらしいが、俺の時に担当した幹部が新人だったためか、金属検査を忘れたそうなのだ。
それで、金属検査を忘れるともっと上の人からこっぴどく叱られる。という理由で、金属検査を忘れたことを
ついでに言っておくと、俺のやりこんでいたスマホゲーはサ
まあ、俺無課金勢だったんだけどね……。
廃課金者じゃなくてよかった。
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