第29話 盗賊は去る 平穏は戻る
ベーゼルに連れられて、俺はアインベーゼからサルジニルグに戻ってきていた。
ベーゼルとルナは知り合いらしくすぐに打ち解けていた。
仲良さそうですね~
話に聞き耳を立てていると、ベーゼルもサルジニルグの復興を手伝うことになったそうだ。
ベーゼルがなかまになった!
テレレッテッテッテ~♪
また、ルナに聞いた話だが、俺がアインベーゼに言っている時、サルジニルグにオリエンルからの依頼で派遣されてきたであろう盗賊が襲ってきたらしい。
まだ、エラガンスはクレイトを殺すことを諦めていないようだ。
この問題を早く解決させたいところではあるが、王族とそう気軽に話かける訳にもいかないし、話しかけたら捕まってしまうかもしれない。
もちろん俺はそんな賭けに出れるほど勇気と度胸を持ち合わせた人間ではないので残念ながらそれはできない。
というか、今集まっているやつら、肩書だけ見ればすごいんだよな。
勇者に魔王。邪神に王子にメイド。
すげぇ……。(肩書だけ)
クレイトたちの目標はともかく、俺たちの目標は、この国サルジニルグの復興だ。
クレイトたちは自国の民の避難などがあるだろうが、俺にはあまり関係ない。所詮は他人事だしな。
まあ、働けって言われたら働くけどさ……。
俺、あんまり働きたくないんだよね……。
はたらくのってつらい……。
でも、働けと言われたら働いてしまう。
俺はもう手遅れなのかもしれない。
煙草を吸っている奴が、煙草をやめられないように。
ブラック企業でしごきにしごかれたら、もう普通の人間(ホワイト企業勤め)のようにはなれないのだ。
俺も就職するならホワイト企業がよかった。
……。でも、俺がブラック企業に勤めていなかったら、ルナたちとの出会いがなかった。って考えると案外、いや、結果的にブラック企業に勤めていてよかったのかもしれない。
……違う。
ルナとの出会いを差し引いても、俺がブラック企業で働いた7年のほうが圧倒的に大きい。流石にここは譲れない。
だいぶ話がそれたな。
とりあえず、どっか行ってばっかだったが、やっと復興作業に本腰を入れるらしい。
本当に今まで何をしていたんでしょうね(白目)
いや、本当に復興する気あんの?って何回も聞き返したくなるぐらいになにもやってなかったからな。
というか、こんな辺り一面、真っ緑の土地に復興なんてあるのか?
もうこれは、復興というよりも新しく創るといった方が正しいのでは?とさえ思えてくる。
さて、どうやってサルジニルグを復興させるか……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます