第28話 召喚魔法が効かない

 私たち「魔王」の家系が得意とする魔法の一つが召喚魔法だ。


 召喚魔法は、私の想像を、記憶を魔力で形を作り、念を入れたものだ。

 念によって、召喚獣は自我を持ち、召喚主に逆らわないようプログラムするのだ。


 そうすることによって、召喚獣は自我を持ち、本物の動物さながら、考えたり、走ったりできるのだ。


 また召喚獣のプログラムにはいくつか種類があり、私のはいわゆる「放任型」だ。


 放任型とは、召喚獣しょうかんじゅう召喚時しょうかんじおこなうプログラムを召喚主に逆らわない程度のプログラムで召喚された召喚獣が放任型だ。


 ほかにも「束縛型」「命令型」「一事項優先型」などが主に挙げられる。


「束縛型」は放任型とは間反対の型だ。

 召喚時のプログラムを召喚主に攻撃しないというプログラム含め、多量に書き込み、そのプログラム以外の行動をとれなくするのが「束縛型」のプログラムの特徴だ。


 ちなみに最近では放任型が主流だ。


 次に「命令型」だが、これはプログラム時に召喚主の命令のみで行動する。と書き込むのが命令型だ。

 但し、命令型は召喚主がなにもいわないと何もしないので、召喚獣に付きっきりじゃないといけないのがデメリットだ。

 クロスが言っていた、「げーむ」の中で一番近いものを挙げるとすれば「ぽけーっともんすたー」縮めて「ぽけもん」がいちばん近い。


 最後に「一事項優先型」だが、これはその名の通り、召喚時に一つの事項のみを優先し、行動する。とプログラムに書き込むのが、一事項優先型だ。


 だいたい、任務などで使われる。場合が多い。


 と、長々と説明したが、この召喚魔法で召喚した召喚獣が、相手の技で一瞬にして消し飛んでしまうのは少々いただけない。といったところか。


「ストロンさん。もうめんどくさいんで、使って下さい。二つあるんでしょ?」


「しゃーねぇ。めんどくせぇしな。でも、高いんだよなぁこれ」


「っすよ。使って下さい」


「わーったよ」


 ストロンがそういうと、丸型の魔力道具マジックツールを地面に向かって投げつけた。


「おらぁぁ!!!!『転移テレポート』――――!あばよ!魔王の嬢さん!今回は逃げさせてもらうぜ!」


「あっ!」


 この魔力道具マジックツール転移テレポート系統―――。


 逃げられた!


 私がそう思った瞬間には、ストロンの姿は見えなくなっていった。

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